伝わる、WEBテキストのつくりかた -知っておきたい文字情報デザインテクニック
『ウェブで儲ける人と損する人の法則』に書かれている「企業がWebサイトで提供すべきこと」は次の3つである。
ユーザーにとって「役立つ情報」、「トクする情報」、「面白い情報」。
それらを提供できるのはつまり、「実用的なWebサイト」に他ならない。そして、実用的なwebサイトを構築するためには、文章もまた相応に工夫しなければならないのだ。
以下、実用的なwebサイトに共通する3つのポイントをご紹介する。
実用的なwebサイト3つのポイント
実用的なwebサイトの文章は、次の3つのポイントが盛り込まれている。
1.ナビゲーション
webサイトと紙媒体との大きな違いは、ほしい情報にすぐアクセスできることにある。
問題はどうやって誘導するか、だ。求めている情報にアクセスしやすい環境にあっても、サイトの構造が迷路のようになっていては意味が無い。階層をできるだけ簡潔にし、検索効果を最大限に高めよう。
そのためにできる施策としては「グルーピング」がある。いわゆるグループ分けのことだ。以下、代表的な例である。
- アルファベット順(ex.本の索引)
- カテゴリー分け(ex.ブログのカテゴリー)
- 時間軸での昇順降順(ex.ニュース記事)
- 価格や大きさなどの数値、単位ごと(ex.不動産検索)
- 国、県、地域ごとの位置情報(ex.天気予報)
2.わかりやすい文章
わかりやすい文章を心がけることが、伝えるためには一番重要だ。
単純なようだ難しい。詳しくは『知的で素敵でカッコイイ!「わかりやすい文章」の書き方』を参考にしてほしいが、一例を挙げると以下のとおりとなる。
- 専門用語を使わない
- 文章を短く区切る
- 段落ごとに改稿する
- 文字の大きさ、行間を工夫する
- 論理的に(参考:『誰にでもできる論理的な文章の書き方』 『論理的な文章のシンプルな書き方』 『論理的な文章を書くために必要な7つの項目』)
- 難しい漢字を使わない
- 結論から書く
3.時短効果
実用的とは、短時間で役に立つことだ。
他のwebサイトや書籍のほうがより短時間で問題を解決できるのならば、ユーザーはわざわざ訪れてくれない。とくに時間が不足している現代人にはなおさらだ。みんながせっかちになっているし、みんな疑い深い。
だからこそ短時間で役に立つことをアピールする必要がある。そのためにできる施策は次のとおりだ。
- 見出しをつける
- センテンスの構造は「見出し→トピック→本文→まとめ」
- 文章全体の構造は「結論→説明・注意点→まとめ」
- 疑問点を解決する補足情報を加える
- 画像や図でサポートする
- リンクをつける
ヒトコトまとめ
実用的なwebサイトの文章とは
情報量が十分で、必要な情報を短時間で検索でき、実行に移せるほど具体的である、こと。
お付き合いありがとうございました。多謝。
<目次>
chapter 01 「役に立つ」WEBテキストとは?
言葉のコラム その1 言葉が“モノ”を存在させる
chapter 02 役に立たない単語(ワード)
2-1 あいまいな言葉
2-2 専門用語・略語
2-3 グルーピングの失敗
2-4 一貫性のない表記
2-5 文字化け
2-6 不自然な敬語
2-7 言葉の間違い
2-8 分かりにくい言葉
chapter 03 役に立たない文(センテンス)
3-1 長い文(情報の詰め込みすぎ)
3-2 リズムの悪い文
3-3 言葉の重複
3-4 不適切な“かかる言葉”の位置
3-5 受身形・否定形
3-6 不適切な句読点の打ち方
3-7 不適切な“くぎり符号”
3-8 “てにをは”の間違い
3-9 見出しの失敗
chapter 04 役に立たない文章(パラグラフ)
4-1 だらだらと長いテキスト
4-2 文章(パラグラフ)の構造が悪い
4-3 情報量のアンバランス
4-4 統一感のない文体
4-5 漢字と仮名の量がアンバランス
4-6 説得力・信憑性のなさ
4-7 文字が小さい/行の文字数が多い/行間が狭い
4-8 不自然な和訳
言葉のコラム その2 いい加減さゆえに、言葉は複雑化した
chapter 05 実践!「役に立つ」WEBテキストデザイン!
5-1 ナビゲーション
5-2 新着情報
5-3 お知らせ
5-4 商品一覧
5-5 商品詳細
5-6 サービス案内
5-7 FAQ(よくあるご質問)
5-8 個人情報保護方針(プライバシーポリシー)
<著者>
栗原明則
フリーランスWEBクリエイター。米国オレゴン大学言語学部を卒業後、1998年フリーランスのWEBクリエイターとして仕事を開始。技術評論社、脚本家石原武龍氏のサイト他、様々な業種でWEBの制作現場に携わる。現在、「日常の食」をテーマとしたサイト“東京ぐるめ”を運営しながら、翻訳、執筆、料理レシピなど、幅広いコンテンツ企画・制作をおこなっている。
<類書>
ワークスコーポレーション
売り上げランキング: 138,183
シーアンドアール研究所
売り上げランキング: 827