「この原稿、相場より安くないか…」
「ギャラ交渉したいけれど、嫌われたらどうしよう」
フリーランスのライターとして活動していると、原稿料の金額に悩む場面は多々あります。とくに駆け出しの頃は「仕事を失いたくない」という思いから、言い値をそのまま受け入れてしまいがちです。
しかし、自分のスキルや実績に見合った原稿料を得るためには、適切な交渉が不可欠。この記事では、実際に原稿料をアップさせてきたライターたちの経験や、筆者自身の実践から得たノウハウをまとめました。
1. まずは「相場」を知ることから始めよう
原稿料アップを交渉するには、まず「今の自分がどのくらいの単価で仕事を請けるべきか」を知る必要があります。
- 取材・執筆込みで1本いくら?
- 文字単価で見て妥当か?
- 業界(出版・Web・企業案件)ごとの相場は?
SNSやコミュニティ、仕事仲間からの情報、クラウドソーシングサイトの案件相場などをもとに、「このジャンルならこの単価」という感覚を養っていきましょう。
2. 交渉は「タイミング」と「言い方」がすべて
原稿料の話は、仕事の依頼を受けるタイミングで行うのが基本です。
📌【おすすめの切り出し方】
「今回の内容・ボリュームを拝見し、これまでの同様の案件では◯円ほどでお受けしていました。御社ではいかがでしょうか?」
重要なのは「強気」ではなく「丁寧かつプロらしく」。交渉は「交渉ごと」であって「喧嘩」ではありません。対立ではなく、条件のすり合わせという意識を持ちましょう。
3. 上げてもらえる理由を用意しておく
報酬を上げてもらうには、相手に「なるほど、それなら納得」と思ってもらう必要があります。たとえば:
- 過去に執筆した記事のPVやシェア数
- 指名率や継続率の高さ
- 企画提案力、編集経験、SEO知識など
「単に上げてほしい」ではなく、「こういう価値が提供できます」という形で提示しましょう。
4. 一度断ってみるのも戦略のうち
「安い単価の案件は、いったん断ってみる」ことで、むしろ好転することもあります。
断られて初めて、「では予算を再検討します」という返答が返ってくることも。もちろん、リスクもあるので自己責任にはなりますが、自分の価値を見極める一つの手段として覚えておきましょう。
5. 交渉の練習は「小さな案件」で積む
いきなり大手企業や重要なクライアントとの交渉は緊張するもの。最初は単発やクラウドソーシングの案件など、小規模なものから「ちょっと上げてもらえませんか?」と交渉の練習をしてみるとよいでしょう。
場数を踏むことで、言い方やタイミングのコツがつかめてきます。
6. 書面に残すクセをつけよう
交渉が成立したら、メールやチャットなどで「原稿料◯円で承ります」と書面で合意を取りましょう。口頭やあいまいなやりとりだけで進めると、トラブルのもとになります。
とくに原稿料・支払いタイミング・修正対応の範囲などは、毎回しっかり記録しておくことをおすすめします。
まとめ|ギャラ交渉は「技術」より「慣れ」
原稿料アップの交渉に「裏技」はありません。小さな実績と自信を積み重ねて、丁寧に、かつ毅然とした態度で臨むこと。それが最も確実な方法です。
まずは1回、言ってみるところから。交渉は怖くても、「黙っていても上がることはない」ことだけは確かです。
この記事が、フリーライターとしての自立や収入アップの一助になれば幸いです。
次回は「クライアントとの信頼関係を築くライティングの進め方」についてもご紹介予定です。