早く行くべき? 遅く行くべき? それともちょうどに行くべき? アポイントの訪問時間をマジメに考察してみた結果、最良の選択は◯分前がベストだと判明した件

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アポイント,訪問時間

時間にルーズな人は嫌われます。いくら優れたスキルをもっていても、仕事ができても、遅刻グセがあるという理由だけで評価が大きく下げられてしまうことは多いのです。とくに日本社会では。

ただし、たとえ時間に間に合ったとしても、問題は「訪問の時間」。少し前に入るのがいいのか、少し後がいいのか、それともちょうどがいいのか。マジメに考察してみました。


アポイントとはなにか

そもそもアポイントとは、お客さまと会うための時間です。たしかに会社員の方であれば、同じ会社のひとと待ち合わせをすることもあるかもしれませんが、ここでは「対お客さま」のみを想定したものをアポイントと定義し、話を進めていきます。

ただ、実際には、お客さまの定義は広いです。一緒に仕事をする発注者もお客さまですし、発注者の顧客もお客さまですし、エンドユーザーがいればその方もお客さまになり得ます。はたまた、商品の納入先や購入先、営業マン、取材先などもお客さまです。

そういった、広い意味でのお客さまに対し、お時間をいただくことがアポイントです。場所の候補としては、お客さまの事務所、自社の事務所、および外出先(カフェなど)の3つのパターンが考えられます。

1.顧客視点(待ち受ける側)で考える

では、顧客視点(待ち受ける側)で考えた場合、どういった事情があるでしょうか。

まず、顧客側としては、待ち受けているということもあり、ある意味では心にゆとりがあるはずです。顧客先を訪問することが多いボクの経験から言うと、訪問後、いくばくかの時間が経過してから参上される場合がほとんどです。訪問を会議室で待ち受けている、というのは皆無ですね。

そうなると、予想される顧客の行動は次のとおりです。

  1. 受付から来客を確認
  2. (打ち合わせの準備)
  3. 準備しておいた書類や手帳、パソコンなどをもって向かう
  4. 応接室で対面

時間に細かい人の場合(日本人に多いのですが)、万全の準備をして待ち構えているはずです。もしかしたら、30分あるいは1時間前から時計をちらちらチェックしている人もいるかもしれません。

そういった方の場合、1分でも遅れると「なにやってるんだ!」とイライラがたまってしまうでしょう。とくに、会社経営者など、忙しい方ほどそういった傾向が強いかと思います。アポイントは相手の時間を奪うことなので、とうぜんと言えばとうぜんです。

一方、時間にラフな人の場合にはどうでしょうか。カッコ書きにしてありますが、来客を確認してからササッと準備する、という場合もあるかもしれません。そうなると、アポイント時間の5分前に到着した場合、「えっ! もう来ちゃったの」と、プレッシャーを感じさせることにもなりかねません。

2.自分視点(訪問する側)で考える

次に、自分視点(訪問する側)で考えてみましょう。

冒頭でも述べていますが、「遅刻=悪」ということに関しては、共通の認識であります。つまり、とりあえず遅刻さえしなければ、評価を下げてしまうことはない、と考えるのが普通です。ですので、訪問する側の視点から考えて憂慮すべきなのは、遅刻の1点のみ

であるならば、1分でも遅れることは避けたいもの。その結果、アポイント時間ちょうどから、それ以前の時間が選択されることになります。それだけ守っておけば、まず、自分の評価が、少なくとも「遅刻」という観点から下げられてしまうことはない。

とくに訪問側は、それなりにプレッシャーを感じているものです。これから商談をするのか、はたまた打ち合わせをするのかはシーンによりますが、はじめての訪問先ということもあるでしょう。面談で有利な立場を形成したい、という心理面の効果から考えても、なるべく早めに訪問したいと思うのは自然です。

ちなみに、訪問側の行動は次のとおりです。

  1. 訪問先の建物(お店)をみつける
  2. 訪問先のオフィスを見つける
  3. (受付があれば受付(電話))
  4. 担当者や事務の方に、会議室まで案内される

注意が必要なのは大手企業です。受付嬢がいる会社の場合、用紙の記入などで時間がかかることがあります(入社手続きなど)。その結果、アポイント時間をオーバーしてしまう可能性もあるので、あらかじめ余裕をもって到着しておくべきでしょう。

ベストは“2分前”訪問

さて、このように顧客視点および自分視点、双方の事情から勘案すると、最適な訪問時間はいつになるでしょうか。

ひとまずの最適解としては、アポイント時間の「2分前」としておきたいと思います。

その理由は、次のとおりです。

  • 2分は誤差の範囲であること
  • 顧客側に配慮して早すぎない時間であること(遅刻は論外)
  • 自分の都合として「余裕をもって参上しました(準備万端である)」と思えること

誤差というのは、人間の感覚からしてもそうですし、時計によって時間がじゃっかん異なるという意味でもそうです。いずれにしても、2分ほどであれば許容範囲かと思います。

諸先輩方のなかには、「アポイント時間ちょうどから1~2分後ぐらいが好ましい」とおっしゃる方もいるかもしれません。しかしそれは、相手がどのような人かを考慮せず、単純に慣例にしたがっている、ということにもなりかねません。

また、その慣例自体、古いものになっている可能性があります。自分が信じている常識は、必ずしも相手の常識とは限りません。とくに、グローバル市場ではそういったことが顕著です。

であれば、相手の心情をメインに考慮しつつ、自分の都合も配慮して導き出した「2分前訪問」が合理的結論となるのではないでしょうか。

状況に応じた配慮も

ただし、状況に応じて変化させるべきだとは思います。

たとえば、多くの企業において「12:00~13:00」はお昼休憩の時間です。そういったことを考慮せず、12:58分に到着して「着きましたが……」と言うのは、相手の立場を配慮できていないことになります。

「午後の仕事は13:00からはじまる」と、厳格に考えている方もいるかもしれません。であれば、13:00アポの場合、時間ちょうどぐらいを目安にしたほうが親切というものです。

同様に、「朝の朝礼」「休み明け」「月末月初」といった状況も考慮して、臨機応変に対応できればベストでしょう。いずれにしても、相手の気持ちに配慮するという姿勢が、その場その場の最適解を教えてくれるはずです。

10分前必着はアタリマエ

最後に、注意しておきたいのが、あくまでも“訪問時間”のベストが2分前、ということ。到着時間のベストが2分前ではありません。当日、受付の時間やオフィス探し(とくに高層階)などで、時間をとられてしまう可能性があります。到着は10分前を厳守し、余裕をもって調整するようにしたいですね。

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