文章を書くとき。日本語のルールとして、「漢字の使用範囲」はとくに制限されていません。つまり、漢字で書けるものは、すべて漢字で書いてしまっても構わないのです。
ただそれでは、読みやすい文章を書くことはできません。また漢字を多用すると、読みにくくなることに加えて、文章そのものが古臭くなってしまうことも。
そこで本稿では、読みやすくカッコいい文章を書くために、漢字ではなく“ひらなが”で書きたい言葉について紹介しましょう。
基本は常用漢字を基準にする
基本として、漢字にするかひらがなにするかの基準は、「常用漢字」をもとに判断します。常用漢字とは、漢字使用の目安として出されている「常用漢字表」を指します。
使いたい漢字が常用漢字かどうかを調べるには、文化庁のホームページに掲載されている「常用漢字一覧表」をチェックするといいでしょう。
また、『例解辞典[改訂新版] 』や『常用漢字最新ハンドブック 』など、常用漢字を調べられる辞書を手元においておけば便利ですね。
一般的な国語事典である『新明解国語辞典 第七版 特装青版 』などでもチェックできます。
ひらがなで書きたい言葉
以下では、『日本語の正しい表記と用語の辞典 第三版 』を参考に、ひらがなで書きたい言葉を品詞ごとにまとめています。文章を書く際には、ぜひ参考にしてみてください。
助詞
あなたほど そういうもの これぐらい(くらい) 鳥や魚など
助動詞
するべきだ そのようだ するそうだ
感動詞
ありがとう おはよう ああ
接続詞
あるいは もしくは かつ しかし そして ただし ところが
連体詞
ある いわゆる こうした この
代名詞
あれ これ どこ あなた (※私 君 彼 彼女 などは漢字でもOK)
形容名詞
しかことがない 病気のために 行くつもりです 来たところだ
そんなときに そういうものだ 見たとおりに あんなふうに
補助用言
……という ……である ……している ……してください
……してほしい ……していただく ……してよい ……してあげる
副詞
あえて いっぱい おいおい おおむね さらに しばらく ぜひ
だいぶ たくさん たとえ たまに だんだん ちょうど なぜ
なみなみ なるほど のちほど はなはだ ますます やまやま
ゆくゆく ようやく わざと わざわざ
また副詞の場合、本来の意味が薄れている言葉も、なるべくひらがなにします。
いっそう いったい いっぺんに きわめて けっして ことに ずいぶん
すでに だいたい たいへん たえず たとえば たぶん むろん
いまに いたって おおいに もっとも おもに かならず さだめし
たがいに ながらく いまにも わりと いま なにかと さいわいに
接頭語・接尾語
お菓子 病気がち 悲しげ 五分ごと 腕ずく 読みづらい 書きにくい
書きやすい 彼ら 私たち 赤み 低め 山田さん 五年ぶり
当て字・熟語訓
あくび いけない おかしい おとなしい はかない ふさわしい
ございます ごまかす すっぱ抜く でたらめ めちゃくちゃ
むちゃくちゃ わんぱく