遅ればせながら『嫌われる勇気』 を読みました。
アドラー心理学を学ぶためにも、あるいは岸見一郎先生のフィルターをとおした「岸見アドラー学」を学びたい人にも、オススメの1冊だと思います。とくにボクが感銘をうけたのは、いわゆる「嫌われてもいい」という発想ではなく、ある一文でした。
『嫌われる勇気』のメッセージは“誰が自分を変えることができるのか”
その一文とは、次のとおりです。
他社から与えられた答えはしょせん対処療法にすぎず、なんの価値もありません。
本当の良書とは、本棚に置いておく価値のある書籍のことを言うと思います。つまり、一度読んでお終いなのではなく、本棚に置いておき、ことあるごとに読み返す価値のある書籍のことです。読み返すごとに、新しい学びや気付きがあることは本当に素晴らしい。
『嫌われる勇気』も、そのような性質をもつ書籍です。一読して、ボク自身多くの学びを得ましたが、今の段階で、一番心に刺さったのが上記の一文でした。
ボクの場合、心のどこかで「自分を変えることはできる」を思っていたフシがあります。ですので、『嫌われる勇気』の内容に反発することなく、読んでいてスッとハラオチしました。だからこそ、「人から嫌われてこその自由」や「自分が変わらないのは勇気がないから」ということには、深い感慨はありません。
では、なぜ自分を変えることが可能だと思っているのか。事実、変わってきたからです。具体的にどうやって変わってきたかと言うと、行動することによって変わってきたのです。アメリカを代表する哲学者・心理学者のウィリアムス・ジェイムスは次のように述べています。
行動は感情に追従しているように見えるが、実際は行動と感情は一緒に起こる。意志に直接支配されている行動を統御することで、意志の支配下にない感情を統御することができる。
つまり、「どうしても怒ってしまう」「すぐに悲観的になってしまう」など、感情面で不満があるのなら、それを性格(本書ではライフスタイルという表現を用いていますが)のせいになどせず、行動を変えればいい。たとえば、「カッとなったら深呼吸して無理矢理に笑顔をつくる」というように。
(自分を変えるための具体的な方法は『この人はなぜ自分の話ばかりするのか 応用編』 に書かれています。ぜひ参考にしてみてください)
ですので、『嫌われる勇気』に書かれていることに対しては、納得できる部分が多かったのです。でも、やっぱり、総評としては「他社から与えられた答えはしょせん対処療法にすぎず、なんの価値もありません。」に尽きるんですよね。これ以上の結論はないように思います。
自分のアタマで考えること。自分のカラダで行動すること。失敗や成功のようなものをくり返して、他者にまどわされない本当の自分を確立していく。今という刹那に焦点をあてながら。別の機会に読めばまた別の結論になるかもしれませんが、今のボクが学んだことは以上となります。
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