ピラミッドストラクチャーを使って論理的な文章を書く方法について解説しています。
ピラミッドストラクチャーとは
ピラミッドストラクチャーとは、ある主張(結論)を、演繹法や帰納法を使って論理的に説明するためのテクニックです。主張(結論)を頂点にして、根拠をピラミッド状に積み上げていくことからピラミッドストラクチャー(ストラクチャー:構造)と呼ばれています。
ピラミッドストラクチャーの具体例
わが社では、社内の生産性をあげるために、「眠気防止」が課題となっています。そこで私は、コーヒーの積極的な摂取を提案いたします。提案の根拠は大きく2つです。
1.コーヒーに含まれるカフェインについて(分析)
コーヒーにはカフェインが含まれており、このカフェインには、覚醒作用があるとの研究結果が発表されています。また、カフェインの覚醒作用は、眠気予防・眠気覚ましにも効果があるようです。
2.コーヒーに対する社会の反応(観察事項)
また、社会的にも、コーヒーが眠気覚ましに効果があると認められています。①徹夜の多いAさんが眠気覚ましにコーヒーを飲んでいる。②学会でコーヒーが眠気覚ましに効くと発表されていた。③信ぴょう性のあるテレビ番組でコーヒーが眠気覚ましに最適だと報じられていた。これらの観察事項は、コーヒーの効能を裏付けています。
以上のことから、私はコーヒーの積極的な摂取を提案します。つきましては、社内にある休憩コーナーにコーヒーマシンの設置を検討してもらいたく存じます。
論理構成
「眠気防止のためにコーヒーの積極的な摂取を提案する」(主張)
「コーヒーに含まれているカフェインに覚醒作用がある」(根拠1)
→「①カフェインの覚醒作用」「②コーヒーにはカフェインが含まれている」
「コーヒーが眠気覚ましに効果があると認められている」(根拠2)
→「a.徹夜の多いAさんが飲んでいる」「b.学会での発表」「c.テレビでの報道」
ピラミッドストラクチャーのポイント
ピラミッドストラクチャーを活用する際には、次の3つのポイントを押さえておきましょう。
1.主張を決めるには(「OPQ分析」)
主張は「OPQ分析」をもとに考案します。OPQ分析とは、「Objective(望ましい状況)」「Problem(問題)」「Question(疑問)」の頭文字をとったものです。
すべての土台は読み手です。読み手にとって望ましい状況はなにか、そのために何が問題になるか、具体的にはどんな疑問が生じるかを考え、その答えが主張となります。
例:社内の生産性をあげたい(O)→眠気により社員の活動が鈍っている(P)→どうすれば眠気を予防できるか(Q)→主張:コーヒで眠気を予防しよう
2.「So What?」をくり返す
「So What?」とは「だからなんなの?」という意味です。主張があいまいなままだと、読み手に刺さる文章にはなりません。「So What?」をくり返し、主張を掘り下げることが大切です。
例:眠気に問題がある!(So What?)→眠気にはカフェインが効く!(So What?)→コーヒーにはカフェインが含まれている!(So What?)→眠気予防にコーヒーを飲もう!
3.導入と今後の提案
ピラミッドストラクチャーを使って実際に文章を書く際には、「導入」と「今後の提案」も加えましょう。導入で問題点や背景を説明し、今後の提案で具体的なアプローチをうながします。
例:社内ではいま、生産性の向上が課題となって……(導入)→(本文)→具体的には、コーヒーマシンの設置を検討してください(今後の提案)