「図書館情報技術論」合格レポート(近畿大学図書館司書)

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本稿では、近畿大学図書館司書コースの「図書館情報技術論[’19-’20]」における、合格レポートを紹介しています。

※内容をそのままコピー&ペーストするのは厳禁です。あくまでも、解答例および書き方の参考にしてください。

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設題

設題は次のとおりです。

図書館を最大限に活用するため、または利用を円滑にするためにはどういった情報技術に着目し、理解を深めるべきか。自身の意見を含めて論じてください。(2,000字)

レポート作成上の留意事項・ポイント

・本文を1,900文字以上書くこと。2,000字に近いほど良い。
・テキストに記載されている内容の情報技術を挙げること。
・上記に加え、テキストには無い情報技術を挙げてもよい。例えば、自身の仕事で使用している情報技術や使用経験がある技術等。

総評基準についてのメッセージ

・レポート作成上の留意事項・ポイントが守られているか。
・論文の基本的な構成(書式、章立て、文体の統一、見出し、引用)が考慮されているか。
・テキストや参考文献の内容の理解度を判断する。
・レポート作成者独自の着眼点も評価する。

合格レポート

1.序論

 情報化社会の進展に伴い、近年では、情報技術が目覚ましい発展を遂げている。その影響は家庭や企業での利用に留まらず、公共施設そして広く市民に対し門戸を開いている図書館にも広がっている。そこで本論では、図書館の活用促進および利用円滑化という観点から、どのような情報技術に着目し、理解を深めるべきなのかについて論じる。

2.図書館の利用促進に求められる視点

 公共図書館の役割は、日本図書館協会の「図書館の自由に関する宣言(1979年改訂)」でも示されているように、「すべての国民は、いつでもその必要とする資料を入手し利用する権利を有する」という言葉に集約されている。つまり図書館は、すべての国民が有する知る権利に応えるべく、必要とする資料を提供できる施設でなければならない。
 そのような基本姿勢を踏まえたうえで、図書館を最大限に活用するために欠かせないのは、やはり利用しやすさの向上であろう。この場合の“利用しやすさ”とは、資料の入手しやすさを意味しているのであり、言い換えれば「いかにして資料を検索し、いかにして資料へとたどり着くか」についての簡便性を高めることに他ならない。
 一方で、求める資料がどこにあるのか分かりにくく、また検索性や検索方法が限定されている状態では、図書館を最大限に活用することはできない。ひいては、利用の円滑化に逆行することにもなり兼ねない。そこで必要となるのが、図書館にも普及しつつある情報技術への理解である。以下、その代表例を挙げる。

3.図書館の活用および利用円滑化のために必要な情報技術について

 図書館の活用および利用円滑化のために、理解を深めるべき情報技術には次のようなものがある。

・自動貸出機
 各地域の中央図書館はもちろん、中小規模の図書館でも導入が進んでいる「自動貸出機」は、図書館の利用促進に重要な役割を担っている。とくにインターネットを活用した検索や貸出予約が当たり前になった今、予約確保から貸出までの時間短縮に自動貸出機は欠かせない。かつてのように、貸出のためだけに図書館員が手を煩わせることがなくなり、レファレンスサービスなどの充実にも貢献している。

・24時間貸出サービス用ロッカー
 本の貸出を円滑にするということで言えば、尾道市立図書館(中央図書館)などで導入されている「24時間貸し出しロッカー」も有効な取り組みである。OPACやカウンターから予約し、暗証番号の連絡を受ければ、指定された日に指定のロッカーから本を受け取れる。図書館の開館時間に左右されることなく資料を借りられるため、日中時間がとれない会社員などの利用促進につながるはずだ。

・デジタルレファレンスサービス(レファレンス共同データベース)
 図書館における重要な役割のひとつレファレンスは、昨今、共同データベースとしてインターネット上に公開されている。これは国立国会図書館などが行っている取り組みであるが、レファレンス事例を公開・共有することで、図書館利用者の探索作業を円滑にするだけでなく、レファレンスサービスの利用促進にもつながると考えられる。情報社会における図書館の役割について、見直されるきっかけにもなるだろう。

・図書&図書館検索サービス
 民間が提供しているサービスとして活用したいのは、図書や図書館を検索するサービスである。具体的には、株式会社カーリルが提供している「カーリル」やGoogle Chromeの拡張機能として提供されている「その本、図書館にあります。」などが挙げられる。前者は、全国7,000以上の図書館からリアルタイムの貸出状況を検索できるサービスであり、後者はAmazonと連携することで任意の図書館に蔵書があるかどうかを簡単に検索してくれるサービスだ。いずれも、地域を超えた横断利用がしづらい状況にある図書館利用を円滑にしてくれるという点で画期的である。

・スマホアプリの位置情報サービス
 最後に、未だ実現していないものの、これから求められるサービスについても言及しておきたい。それは、スマートフォンアプリ(スマホアプリ)などで使われている「位置情報サービス」だ。現状、どの本がどの図書館にあるのかについて、ネット検索はできるものの、感覚的に知る手段はない。そこで、スマートフォンのGPS機能を活用し、位置情報と書籍情報をひもづけたスマホアプリなどをつくれば、書籍へのアクセス過程も大きく変わるのではないだろうか。

4.結論

 以上のように、図書館の活用や利用促進に寄与する情報技術はたくさんある。図書館が取り扱う各種資料も情報のひとつであることを考えれば、情報技術と図書館の相性は決して悪くないことは明らかだ。そこで求められるのは、図書館従事者と利用者の間で、情報技術に関する最新情報を提供し合う取り組みである。サービス提供者とサービス利用者が意見を交換しつつ、これからの図書館に必要な情報技術について話し合える環境が整っていれば、図書館利用は自然と促進されるはずだ。図書館の情報技術は、そういった観点も踏まえ、ソフトとハードの両面から議論されるべきである。

文字数 2098文字

参考文献

杉本重雄『図書館情報技術論』樹村房、2014
根本彰『情報リテラシーのための図書館』みすず書房、2017

レポート作成のヒント

レポートを作成する際には、以下の点に留意しています。

1.構成を決める

レポートの構成は、「序論」「本論」「結論」が基本となるため、次のように組み立てています。

1.序論: 図書館(業務)において情報技術が求められる背景
2.本論:図書館の利用促進と円滑化に必要な情報技術についての解説
3.結論: 本論でまとめた内容に対する、筆者の主張や批判

2.テキストの該当箇所を自分の言葉でまとめる

テキストに記載されている情報技術を中心にまとめつつ、自ら活用している情報技術についても記載していました。

図書館を利用しているシーンを思い浮かべると、書きやすいかと思います。

3.新しい情報技術についても言及する

テキストに掲載されている情報技術は、必ずしも最新のもとは限りません。新しい情報に関しては、インターネットで検索したほうがいいでしょう。

とくに、企業が行っている斬新な取り組みに着目し、新しい情報技術として記載してみるといいのではないでしょうか。

キーワード

本設題の場合、次のようなキーワードが挙げられます。これらの言葉に着目しつつ、まとめていく必要があるかと思われます。

・図書館の情報技術
・図書館の活用の最大化
・図書館の利用促進、円滑化

参考文献

図書館情報技術論―図書館を駆動する情報装置 (講座・図書館情報学)

改訂 図書館と情報技術:情報検索能力の向上をめざして

情報リテラシーのための図書館――日本の教育制度と図書館の改革

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