「図書館概論」合格レポート(近畿大学図書館司書)

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本稿では、近畿大学図書館司書コースの「図書館概論[’19-’20]」における、合格レポートを紹介しています。

※内容をそのままコピー&ペーストするのは厳禁です。あくまでも、解答例および書き方の参考にしてください。

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設題

設題は次のとおりです。

公共図書館を1つ選び、レポートを作成しなさい。以下について記入すること。 (2,000字)
・図書館の正式名称と所在地
・立地、予算、蔵書数、年間増加数、貸出数、業務別職員数(内、過去数年間の採用者数、司書有資格者数)、収容座席数
・図書館サービスの種類と内容
・見学先の図書館に期待すること、改良すべき点、全体の感想等

レポート作成上の留意事項・ポイント

・事前に見学希望の図書館にインタビューの申し込みを行うこと。
・利用案内等、有用と思われる資料を入手し、レポートに添付すること。
・本レポートの目的は、調査を通じて実際の図書館サービスや活動を見て学ぶことです。

総評基準についてのメッセージ

調査した公共図書館について客観的に記述しているか、調査を通じて公共図書館に期待すること、感想、課題について書かれているかを重点的に評価します。

合格レポート

1.序論

 書籍、新聞、雑誌等を通じて私たちの暮らしを豊かにしてくれている図書館。そんな図書館は、2018年時点で日本全国3,296施設に上る(日本図書館協会,online)。そのうち今回は、台東区立中央図書館について調査した。本論では、調査内容をまとめるとともに、当該図書館に期待することや改良すべき点について考察する。

2.台東区立中央図書館の概要

 台東区立中央図書館は、台東区西浅草3丁目25番16号にあり、台東区生涯学習センター1・2階に併設されている。立地としては、浅草寺から500メートルほど北西にあり、かっぱ橋道具街の北端に位置している。最寄り駅はつくばエクスプレスの浅草駅と日比谷線の入谷駅がある。
 施設の概要としては、図書館部分の延べ床面積が3,844㎡(地下:531㎡、1階:2,357㎡、2階:956㎡)であり、区内の図書館では最大規模である。開館時間は、月曜日から土曜日までが午前9時から午後8時まで、日曜日と祝日は午前9時から午後5時までとなっている。毎月第3月曜日と年末年始、特別整理期間は休館日となる。閲覧席は1階に26席、2階に18席あり、パソコン席(6席)や電子機器持込閲覧席(9席)に加えて、新聞・雑誌コーナーには椅子(38席)もある。もともと地域資料が豊富な図書館であったが、2012年11月からは「浅草文庫コーナー」が開設され、芝居や演劇などの芸能ジャンルに関する資料がまとめられている。また1階入口付近には、台東区出身の作家である「池波正太郎記念文庫」があり、作品に関するさまざまな資料や自筆原稿、絵画、復元された書斎などが展示されている。
 『日本の図書館:統計と名簿(2018)』によると、2018年度の予算は図書館費が445,565,000円、資料費が62,477,000円(うち図書費45,998,000円)である。蔵書数は2017年時点で389,125冊(うち雑誌23,193冊、児童書63167冊)であり、区内の図書館の合計が679,404冊であることを考えると、全体の6割近くを占めているのがわかる(台東区立図書館,online)。また「台東区立図書館取組方針」という資料には、視聴覚資料も加えた所蔵資料集の推移が掲載されており、2015年が401,635点、2016年が406,589点、2017年が408,939点となっている(台東区教育委員会,online)。貸出点数は981,429点(2017年)であり、うち個人が966,714点、団体貸出と協力貸出がそれぞれ11,486点、3,229点となっている。また職員数は、2018年4月1日時点で49人であり、そのうち司書は18人である(台東区立図書館,online)。図書館司書の方に過去のデータを見せてもらったところ、2015年が49人(司書19人)、2016年が51人(司書17人)、2017年が50人(司書16人)であった。
 当該図書館は台東区の基幹図書館ということもあり、分館や分室などを統括的に管理・支援するとともに、さまざまなサービスを提供している。具体的には、通常の貸出・返却・予約業務をはじめ、専門的な資料の収集や保存、各種レファレンスサービス、図書館の取組みに関する情報発信、コピーサービス、インターネット利用サービス、その他おはなし会の開催や体験事業など子ども向け事業も充実している。たとえば、ミレニアムホールを利用した映画会には多くの子どもたちが参加しているそうだ。資料の提供だけでなく、幅広いサービスを通じて、地域社会に広く学習機会を提供しているのがわかる。

3.結論

 本論の内容を踏まえて、当該図書館に期待することや改良すべき点について考えてみたい。1つ目は、PC利用に関する課題だ。無料Wi-Fiの整備が進んでおらず、また電子機器持込閲覧席も9席しかないため、現状ではPC等の利用に制約があると感じた。今後は資料の閲覧や各種サービスとともに、PCやスマートフォンが問題なく利用できる環境整備を進めてもらいたい。そうすることで、利用者主体の情報発信も促進されていくのではないだろうか。
 また、施設のバリアフリー化にも課題があると感じた。図書館1階内には2階に続く階段はあるが、エレベーターを使うには一旦図書館を出なければならず、行き慣れていない人は戸惑うことだろう。できれば、図書館の中から2階につながるエレベーターを整備してもらいたい。あらゆる人の利用を促進することが、公共施設としての図書館の責務である。
 最後に、調査を通じて感じたことも述べておきたい。それは、2階に位置する郷土資料閲覧室が非常に充実しているということである。浅草周辺に関連するさまざまな資料がテーマごとにまとめられており、各種調査研究に役立つだけでなく、興味関心を抱かせる工夫がなされていたのも印象的であった。インタビューさせていただいた司書さんのように、豊富な知識を有する職員も在籍しているため、ぜひ多くの人に利用してもらいたい。

文字数 2068文字

添付

参考文献

日本図書館協会「公共図書館集計(2018年)」
http://www.jla.or.jp/Portals/0/dataiinkai/図書館調査事業委員会/toukei/公共集計2018.pdf(2019年6月2日)

日本図書館協会図書館調査事業委員会日本の図書館調査事業委員会『日本の図書館:統計と名簿(2018)』2019、日本図書館協会

台東区教育委員会「台東区立図書館取組方針(平成31年3月)」
http://www.city.taito.lg.jp/index/library/riyouannai/lib_news/kyoutsu/torikumihousinn.files/zenntaibann.pdf

台東区立図書館「台東区の図書館 平成29年度事業報告」 http://www.city.taito.lg.jp/index/library/sirryou/index.fils/29taitukunotoshokan.pdf

レポート作成のヒント

レポートを作成する際には、以下の点に注意してください。

1.構成を決める

レポートの構成は、「序論」「本論」「結論」が基本です。とくに本設題では、次のような組み立てになるかと思います。

序論:公共図書館の意義

本論:調査した図書館の正式名称と所在地、立地、予算、蔵書数、年間増加数、貸出数、業務別職員数(内、過去数年間の採用者数、司書有資格者数)、収容座席数、図書館サービスの種類と内容

結論: 調査した図書館に期待すること、改良すべき点、全体の感想等

2.任意の図書館を調査する

本設題の場合、現地見学とインタビューが中心となります。事前にインタビューの申し込みを行ったうえで、図書館に行き、必要事項をチェックしてください。

その際、職員や司書の方に調べたい内容を伝えておくと、スムーズに調査することができます。また、必要な資料も案内してもらうといいでしょう。

私も、必要な情報を提示したうえで、司書の方にレクチャーしていただきました。

3.調査結果をまとめる

調査結果をふまえたうえで、テキストや参考書等も参照しつつ、レポートをまとめていきます。当該図書館のホームページも、必ずチェックしてください。

まとめる際には、必要事項を網羅することはもちろん、とくに数字の部分を丁寧に記載することが重要かと思われます。

参考文献

新版 図書館の発見 (NHKブックス)

新しい時代の図書館情報学 補訂版 (有斐閣アルマ)

図書館へ行こう (岩波ジュニア新書)

浦安図書館にできること―図書館アイデンティティ (図書館の現場)

つながる図書館: コミュニティの核をめざす試み (ちくま新書)

多文化サービス入門 (JLA図書館実践シリーズ (2))

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