フリーライターに限らず、フリーランス(個人事業主)や企業、さらには国家にも「成長戦略」が必要です。なぜなら、世の中の変化に対応しなければならないため。現状維持とはつまり、変化する社会においては、単なる衰退でしかありません。
そこでこちらの記事では、私の経験をもとに、「フリーライターの成長戦略」についてまとめました。ぜひ、参考にしてみてください。
基本となる考え方
まず、前提となる「基本的な考え方」は次のとおりです。
1.ビジョン(Why):なぜそれをやるのか?
2.ミッション(What):そのために何をやるのか?
3.バリュー(How):どのようにやるのか?(どのような価値を提供するのか?)
自分なりのビジョンがあり、ミッションがあり、その結果バリューが明らかになる。このように落とし込むことで、「自分がどこに向かうべきなのか」「そのために必要なことは何か」が明確になります。
「まあ、とりあえず食べていければいいかな」という発想では、変化が激しい時代において、生き残ることはできません。それは、かつて現状維持に終止した国や企業が、現在、どのような惨状になっているのかをみれば明らかです。
とくに、「Why:なぜそれをやるのか?」が明確になっていないと、継続するのは難しいでしょう。なぜなら、辛く苦しいときを乗り越えるには、根性や気力よりも“動機”が欠かせないからです。動機の強さは継続力に比例します。
目的
次に、フリーライターとして活動することの「目的」を考えてみましょう。ビジョンよりも幅を狭め、より具体化していきます。おおむね次の3つに集約されます。
・生活
・社会貢献(社会から必要とされる存在になる)
・自己実現(人生の目的を見出し、達成する)
まずは「生活」。これについては説明不要です。趣味でやるのならともかく、フリーライターとして稼いで暮らしていくのなら、生活の維持は大前提です。
次に「社会貢献」。仕事およびその対価としての報酬は、社会に対して貢献することでもたらされます。フリーライターとしての活動(成果物)に対し、社会が価値を感じてくれるからこそ、対価が得られます。
そして3つ目は「自己実現」。フリーライター以外にも生きていく道はたくさんあります。それにも関わらず、フリーライターとして活躍したいと考える背景には、自己実現につながる何かがあるはずです。それが究極的な目的になります(個々人で異なります)。
成長戦略の基本手順
上記の目的をふまえ、「成長戦略の基本手順」をみていきましょう。フリーライターは文章を書いて稼ぐ職種なので、自ずと方向性は定まっています。おおむね次のとおりです。
1.実績の蓄積(執筆、取材、インタビュー)
2.ポートフォリオの充実
3.ブランディング(紹介営業の連鎖)→受注の安定化
4.仕事のコントロール
5.多角化・高収益化(法人化、自著、共著、講師、塾運営、講演、セミナー、コンサルティング、メディア運営etc)
順番にみていくと、まず、実績を蓄積することでポートフォリオが充実していきます。そしてそれがブランディング(差別化、名指し)へとつながります。指名買い(紹介)されるようになると、受注が安定し、ムリなく仕事を選べるようになります。
仕事を選べるようになれば、収益力も高まります。金額も去ることながら、よりブランディングに貢献する仕事に対して優先的に取り組めるようになるので、当然です。あとは、「自己実現」の観点から、自分なりの展開を模索していきます。
やるべきこと(目標)
目的と手順を理解したうえで、最後に「やるべきこと」についてみていきましょう。いわゆる「目標」です。目標はあくまでも、目的を達成するための手段でしかありません。手段を粛々とこなしていけば、やがて目的へと到達できます。
やるべきことは、「基本スキルの習得」「自己分析」「発展スキルの習得」の3つです。
1.基本スキルの習得
・文章力の向上(執筆数、座学)
・基本所作の習得(体調・スケジュール管理、ビジネスマナー、取材、インタビュー、アポ取りetc)
ライターにとって、文章力の向上が欠かせないのは言うまでもありません。これは、執筆数および座学、経験によって培われます。
基本所作についても、仕事のなかで習得できます。日頃から意識して仕事に取り組めば、それだけでも多くのことを学べるはずです。
2.自己分析
・日々の定点観測(定性的・定量的なレコーディングと分析)
・定期的な活動の見直し(戦略的、マーケティング的な観点から)
自分の成長を自分で実感するのは難しい。そこで、定性的・定量的な記録をつけることをオススメします。とくに「何をして」「何を思い」「どんな成果を生んだのか」という観点から記録をつけておくと、成長度合いが見える化できます。
また、戦略やマーケティングを学び、フリーライターとしての活動に生かすことも大切です。マーケットには競合他社が存在していることを忘れないようにしてください。
3.発展スキルの習得
・人脈の形成
・その他、必要スキルの習得(写真、営業、経理、ウェブ、リーダーシップ、資格etc)
ライターとしての型が完成してくれば、人脈形成や他のスキル習得にも目を向けてみるといいでしょう。
とくに人脈は、ビジネスにおける最重要項目です。ただ、自分が何者でもないのに人脈を得ようとするのはオススメできません。相手に提供できるものがないのに、つながりを構築しようとしてもうまくいかないはずです(というか迷惑です)。
また、基本スキル以外を習得すると、独自の人材になれる可能性が高まります。スキルの掛け算によって差別化も促進できます。たとえば、「文章力×Webデザインのスキル」「文章力×プログラミング」「文章力×法律系の資格」など、組み合わせは無限大です。
まとめ
1.基本的な考え方を身につける
2.目的を明確にする
3.成長戦略の手順を理解する
4.目標(やるべきこと)に落とし込む
5.実践する
本稿でもみてきたように、フリーライターの成長戦略はこの5つのステップに集約されます。あとは、どれだけ愚直に行動できるか。仕事に対して、そしてフリーライターという職業、さらには人生に対して真摯に向き合うことができるか。それに尽きます。
ただし、フリーライターとしての活動方法に正解はありません。人生に正解がないように、フリーライターとしての成長戦略についても、上記を参考にしつつ、個々人に最適化(カスタマイズ)してみてください。
「これは違うだろ」「私はこうやっている」など、ご意見・ご感想等ありましたら、ぜひお寄せくださいませ。
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