インタビューのコツについて解説しています。
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インタビューの基本的な流れ
インタビューの基本事項については「インタビュー記事の書き方」に掲載しています。まだ読んでいない方は、まず、「インタビュー記事の書き方」をご一読くださいませ。
今回の記事では、インタビューの流れに沿って、それぞれの項目ごとにポイントを確認していきます。
- 企画立案・打ち合わせ
- アポ取り・事前準備
- インタビュー本番
- テープ起こし・編集
- 先方チェック・推敲
1.企画立案・打ち合わせ
企画立案の段階では、「目的」を考えるところからはじめます。目的がないと、なぜインタビューをするのかがボヤけてしまい、質問事項にも影響が及びます。なんのためにインタビューをするのか、なぜインタビューが必要なのかを、あらかじめ明らかにしておきましょう。
2.アポ取り・事前準備
インタビューの目的が決まったら、インタビュイーを選定し、アポ取りを行います。記事の内容はもちろんのこと、予算やスケジュールを加味しつつ、複数の候補をあげておけばムダがありません。
インタビュイーが決まれば、本番に向けて事前準備を行います。質問事項の立案および資料作成に加え、インタビュイーの経歴や過去のインタビュー記事、刊行物のチェックなどもあわせて行います。
3.インタビュー本番
インタビュー本番でもっとも注意したいのは初見、つまりあいさつです。このあいさつがしっかりできるかどうかによって、インタビュー全体が決まると言っても過言ではありません。TPOにあわせた服装は基本中の基本ですが、目を見てハキハキとあいさつすることも忘れないようにしましょう。
インタビューを開始する前に、概要の説明、質問事項の確認、録音の許諾を行います。時間に関しても、再度、確かめておいたほうがいいでしょう。インタビュアーはタイムキーピングする必要があります。進行状況などを、適時、時間で把握しておきましょう。
また、インタビュイーはあくまでも人なので、それぞれ特性が異なります。話し好きの人もいれば、寡黙な人もいるでしょう。インタビュアーは、それぞれの特性に応じて質問を考えなければなりません。話し好きの方であれば黙って聞く、寡黙な人であればツッコミを多く入れる、などです。
そうは言っても、インタビュアーがするべきことは、おおむね次の2つに集約されます。
①質問をする
②話をうながす
この2つだけを意識しておけば、おおむねインタビューの目的は果たせます。質問はこちらが聞きたいことをあらかじめ用意しておけば問題ありませんし(少し多めに用意しておくと良いでしょう)、話をうながすには「具体的にはどういうことですか?」と聞けば問題ありません。
加えて、適時、「まとめ」を入れると親切です。よほどインタビューに慣れた相手でない限り、インタビュイーは話の内容に不安をもっているもの。その不安を払拭するために、「ここまでのお話はつまり、~~ということですね」と確認する。
そうすると、インタビュイーが話の全体像を確認できますし、必要があれば補足をしてもらえます。質問をする、話をうながす、適時まとめる。それ以外は、「傾聴」の姿勢を保ちましょう。“目で聞く”ことも忘れてはいけません。
もし、質問事項がうかばない、あるいは途中で質問がなくなってしまった場合には、想定する読者になり変わって考えてみましょう。「読者はこんな悩みや願望をもっているのですが……」と聞いてみれば、さらに話を掘り下げることも可能です。
すべての質問事項を聞き終わったら、聞き漏らしがないか、あるいは補足事項がないかも確かめて、インタビューは終了です。最後まで気を抜かないようにしましょう。
4.テープ起こし・編集
インタビューが終わったらテープ起こしをし、編集をかけます。テープ起こしは外注することも多いかと思いますが、できれば編集を担当する人間(ライターなど)が行うと良いでしょう。編集を意識してテープ起こしをすると、内容の精度が高まります。
編集時に意識したいのは、「インタビュイーが言いたいこと」および「読者が聞きたいこと」を「わかりやすく表現する」ことです。迷ったら、つねにこの3つのポイントを思い出してください。そうすることで、目的に沿った文章になります。
5.先方チェック・推敲
先方チェックにおいて大事なのは内容の正誤です。加えて、文章にしてほしくない内容が含まれていないかどうかも確認してもらいましょう。記事になってから直すのは手間がかかります。
最後に推敲をします。推敲とは、文章をさらに磨くこと。言い回し、話の前後、使っている言葉、文章の長短などを、丁寧に確認していきます。場合によっては、誤字脱字などの細かい部分まで確認する校正も行えば、より文章の質は高まります。
いずれにしても、大切なのは文章を良くしようとする姿勢です。作家の村上春樹は、『職業としての小説家』 のなかで次のように述べています。
つまり大事なのは、書き直すという行為そのものなのです。作家が「ここをもっとうまく書き直してやろう」と決意して机の前に腰を据え、文章に手を入れる、そういう姿勢そのものが何より重要な意味を持ちます。
インタビューチェックリスト
最後に、インタビュー記事の内容を確認するためのチェックリストを記載しておきます。推敲・校正の指標として活用してみてください。
- 文字数は適切か
- 誤字脱字はないか
- 漢字とかなのバランスは適切か
- 読みやすい文章になっているか
- 事実関係にそぐわない記載はないか
- インタビューの目的を果たしているか
- インタビュイーの意向を汲んでいるか
- 読者が読みたい内容になっているか
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コメント
インタビューのコツとても参考になりました。普段インタビューをする機会はありませんが取引先の方から話を聞きだすときにとても役に立つ情報だと思います。
私も1回だけテレビ局のインタビューを受けたことがありますが、緊張して何を喋ったのかほとんど覚えていません(笑)
でもインタビューする側もいろんな事を考えてらっしゃるのですね。良い勉強になりました。