「3.法的な督促にも応じない場合」にとるべき手法その2、「支払督促」について解説しています。
支払督促とは
「支払督促」とは、債権者からの申立てを受け、裁判所書記官が債務者に支払いをするよう命令を出す制度です。証拠調べや事情聴取などはせず、形式的な審査のみで支払督促を出します。そのため、訴訟よりも迅速で簡単なのが特徴です。
ただし、債権者の一方的な申立てということもあり、債務者は意義を申し立てることが可能です。債務者から意義が申し立てられた場合、訴訟に移行してしまうので注意が必要です。もし意義がなければ、強制執行に着手することができます。
支払督促の対象となる権利は金銭などの請求に限られ、不動産の明け渡しや商品の受け渡し等には利用できません。
支払督促の手順
支払督促の流れは次のとおりです。
①(原則、相手方の住所地を管轄する)簡易裁判所へ支払督促の申立てをする
②受理されると、支払督促が発令。正本が相手方に送達される
③送達後2週間以内であれば、相手方は異議申立てをできる
④異議申立てがなければ、裁判所に「仮執行宣言」の申立てが可能となる(ただし、仮執行宣言は申立てが可能になった日から30日以内にしなければ、支払督促そのものが失効してしまうので注意)
⑤仮執行宣言も2週間以内に異議申立てがなければ、支払督促が確定
支払督促は、通常の訴訟とは異なり、裁判所に提出する書類をもとに進められます。ですので、書類に不備があると、補正処分や却下されてしまう場合があります。申立書の作成には、細心の注意を払っておきましょう。
支払督促の料金
支払督促を申立てる際に必要な費用は、主に「申立手数料」と「郵便代」となります。
以下、東京簡易裁判所の場合です。
(1)申立手数料(印紙) 手数料一覧表をご覧ください。
(2)支払督促正本送達費用 1,080円×債務者数
(3)支払い督促発付通知費用 120円
(4)申立書作成及び提出費用 800円
(5)資格証明手数料 資格証明書1通600円×提出数
(抜粋:裁判所)
申立手数料の計算式は次のとおりです。
・100万円までの部分
10万円ごとに500円
・100万円を超え500万円までの部分
20万円ごとに500円
・500万円を超え1000万円までの部分
50万円ごとに1000円
・1000万円を超え10億円までの部分
100万円ごとに1500円
・10億円を超え50億円までの部分
500万円ごとに5000円
・50億円を超える部分
1000万円ごとに5000円
(参考:裁判所、民事訴訟費用等に関する法律)
申立書の記載例
<申立書の構成>
・表題部(事件名、申立人、手数料など)
・当事者目録(債務者の氏名、住所など)
・請求の趣旨及び原因(主たる請求、付帯請求、申立手続費用)
※それぞれ3通提出することになります。
その他、支払督促の詳しい内容はコチラ(裁判所)。
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