「じっくり読んでみても、その内容がイマイチ理解できない」。そのようなとき、疑うべきなのは、「文章の一貫性」です。文章に一貫性がないと、読み手の理解はすすみません。
一貫性のない文章とは、異なる複数のひとが、同時にひとつの話を説明しようと努力しているようなもの。つまり、読み手にしてみたら、理解どころか混乱してしまうのです。
では、どのような文章は一貫性がなく、どのような文章であれば一貫性であると言えるのでしょうか。今回は、文章の一貫性について詳しく解説いたします。
一貫性とは何か
そもそも一貫性とは、はじめから終わりまで、同一の方針や考えにのっとっていることです。途中で方針を変えたり、考え方を変更したりしなければ、一貫性があると言えます。
一方で、文章を書いている途中から、方針(その文章によって何を伝えようとしているのか)や考え(その文章における結論と根拠)が変わってしまえば、一貫性はありません。
論理的であるとは、話の筋道があきらかになっていること、物事の法則的なつながりがあることです。話の筋道にしても、つながりにしても、一貫性があることで保たれます。
文章における2つの一貫性
文章においては、とくに2つの一貫性を意識する必要があります。その2つとは、「言葉づかい」と「語尾や文調」です。それぞれについて、詳しくみていきましょう。
1.言葉づかいにおける一貫性
言葉づかいとは、「どの単語を選択して文章をつむぐのか」ということです。たとえば、「AはB。BはC。ゆえにAはC」という三段論法において、一貫性がないと次のようになります。
「ソクラテスは人間です」「地球上における唯一の知的生命体はいずれ死ぬ」「ゆえに、古代ギリシャの哲学者でありプラトンの著作にもなった人物は、いずれ天に召される」。
2.語尾や文調の一貫性
言葉づかいほど重要ではありませんが、語尾や文調の一貫性も無視できません。語尾とは、文末の「です・ます」と「だ・である」のこと。文調とは、文章全体のスタイルです。
それまで語尾が「です・ます」だったのが、急に「だ・である」になると違和感があります。同様に、文語調から口語調へとスタイルが変わると、理解に影響がでてしまいます。
まとめ
文章とは、基本的に、つねに読者があるものです。それだけに、個人的な日記をのぞいては、独りよがりではいけません。とくに、論理的な文章であればなおさらです。
そのための指標となるのが、一貫性です。不要な言い回しを多用していないか、あるいは語尾や文章のスタイルがコロコロ変わっていないか。チェックしてみてください。
一貫性がない文章を書いてしまう原因は、読者対象をリアルにイメージできていないからかもしれません。同じひとに対し、同じように伝えるよう、意識することが大切です。
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