心のタフネスを維持するには「◯◯と現実との乖離」を減らすのが一番だった件

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 「打ちのめされるとき」って、案外、どうでもいいようなことが原因だったりするんですよ。しっかりと準備して、時間も労力もかけて、なんならお金も投資して、それで失敗しちゃったコトとかそういうんじゃない。

 そういうときは、結構、充実感に包まれたりする。「まあ、やることやったんだからそれでいいじゃん。次も頑張ろう」みたいな。得るものも多い。でも、打ちのめされてもうダメだーってなっちゃうのは、本当にどうでもいい、ごくごくクダラナイことが原因だったりするんです。


 ちょうどこの前、立て続けにそういったクダラナイことが起こって、ほぼ丸一日なにもできなかった。いつものように、早朝から仕事をしようとパソコンの前に陣取ってみても、一向にはかどらない。集中できない。午前中、ほとんどロクな仕事ができないから、とうとう酒飲んでそのまま寝てやりましたよ。こんなことね、創業当時じゃないんだから、今ではあり得ないことです。ぶっちゃけた話、創業当初はありましたね、昼間っから酒飲んだこと。まあ、若気の至りです。

 んで、打ちのめされた話。きっかけはいくつかあって、いちいち詳細は記載しませんが、おおむね次のようなコト。

  • 2年ぐらい付き合ってたクライアントが、ロクにメールも読まずに、あいさつもせず、素っ気ない態度のまま契約終了した件
  • 打ち合わせに参加したら、みんな喋らず自分ばっかり喋ることになり、なんか集団面接を思い出してしまった件
  • 「それで食べていけるんですか?」とか、どこからそういった発想が生まれるのか信じられないほどアホな質問をする自称フリーランサーがいた件
  • まともに仕事もできないくせに、他のフリーランサーをやたら批判したり、「忙しい」と語気を強めて言う無能な某社長と仕事した件

 こういうことがあると本当に疲れます。とくに心が。情けなくなってくるんですよね。「ああ、自分の実力が低いからこういう人に出会ってしまうんだ」、と。思わずにはいられないんですよ。ボクは決して自己評価が高くはありませんし、もっともっともっともっとストイックに仕事をせねばと日に何度も思っていますが、それでも、ね。ちゃんとお金を払ってくれるならそれなりの仕事をしますが、目の前であくびをされればやっぱり傷つくんスよ、ボクだって。

 ただ、打ちのめされるのはいいとして、いちいち「何もできない」とか「昼から飲みたくなる」みたいな事態は避けなければならないわけで。そこでまず、一時的にしろ心がダウンしちゃった原因と、その対策を考えてみました。原因はズバリ次のとおりです。

  • 自他ともに、期待感と現実との乖離があった

 自分に対しても、他人に対しても、抱いている期待感が実際のソレと大きく乖離してしまうと、ショックとなって心を痛めつけることになる。期待感が大きいということは、ガードを下げているのと同じなので、受けるダメージは必然的に大きくなる。

あと、加えるとしたら次の2点。

  • 他人への理解不足
  • 自分自身への認識不足

 自分と他人への期待感と現実の幅を狭め、他人への理解と自分自身の認識の精度をあげることができれば、ダウンしてしまうほどのダメージは受けなくなるのではないか。少なくとも、ヒラリとかわしたり、ガードすることはできそうです。重要なのは、読みに対する“ズレ”がないこと。あるいは少ないこと。

 では、具体的な対策はどうするか。それは「あらゆる事態を想定すること」。これに尽きますね。他人への理解も自分自身の認識も、期待感も、すぐには修正できそうにありません。自分にも他人にも期待しない生き方なんて、そもそもあまりに人間らしくない。いくらビジネスの場だからといっても、期待感がなければ楽しくなくなっちゃいますよ。だからこそ、原因を叩くのではなく、自分の心にバッファを設けるという意味で、あらゆる事態を想定できるようにする。

 羽生名人の強さの秘訣も、このあたりにあると思うんです。打ち手の数が多いからこそ、想定シーンが豊富だからこそ、余裕がある。ちょっとやそっとじゃうろたえない。直感を信じることができる。直感を信じられない人って、それだけ打ち手が少ないわけですから。打ち手が少ないから、自分の判断が正しいのかそうでないのか経験的に判断できないし、ロジックも積み上げられない。そもそも、土台がグラグラなのに、自分の判断に自信をもてるわけがありません。

 持つべきなのは「直感力」。直感力を得るために必要なのは、「経験」「読書」「人の話を聞く」ぐらいでしょうかね。経験はまあいいとしても、とくに読書や人から話を聞くという場合には、より能動的になるべきでしょう。少なくとも、“自分事”として読めなければ、あるいは聞けなければ、判断の土台にはならないでしょうから。他人の経験だって、自分の経験として積み上げてもいいんですよ、別に。ただそのためには、強く自分のこととしてイメージしなければならない。

 それができれば、頭でっかちから抜け出せるかもしれませんね。

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