難しいことはわかりませんが、お金の増やし方を教えてください!
「投資」。ギャンブルのようでありながら、堅実な資産運用という側面も含む言葉です。とかく、馴染みのない人にとっては、「お金が渦巻く世界」というような、漠然としたもののように感じられているかもしれません。
しかし本書で書かれていることは、そのような“遠い世界のお話”ではありません。生きていくうえで避けられないお金の不安、たとえば「増えない収入」「事故や病気」「出産や子育て」「住宅ローン」「老後」などに対応するための、“手段としての投資”です。
タイトル通り、投資や金融に関する難しい知識は不要です。対話形式なので、だれでも気軽に読みすすめていただけるかと思います。こちらの記事では、本書に掲載されている内容を10のポイントとして、カンタンにご紹介します。
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10のポイント
本書のエッセンスは次のとおりです。
①資産を「生活費」「貯蓄用」「投資用」にわけよう
資産は、そのまま銀行に預けていても、ほぼ、増えることはありません。そこで、生活費と貯蓄を確保したうえで、投資用の資金を用意するのがポイントです。(投資は平均5%のプラスが見込めるとともに、最悪で年1/3に減る可能性がある)
ex.総資産500万→生活費50万、貯蓄用250万、投資用200万
②ネット証券に口座をひらく
株や国債、投資信託などの金融商品を購入するには、証券会社に口座を開かなければなりません。とくに投資初心者にオススメなのは、取引手数料が安いネット証券です。
③「貯蓄用」で個人向け国債「変動10年型」を買う
貯蓄用の資産は、銀行に預けるのではなく、安定的に運用できる「国債」、とくに「個人向け変動10年型」がオススメです。(理由は本書をお読みください)
④NISAに口座をひらく
投資で利益を得た場合には、税金を納めなければなりません。ただし、平成26年度より開始された「NISA」を活用すれば、年間120万円の非課税枠を利用することができます。
⑤「投資用」で投資信託を買う。
投資用資産の運用としてオススメなのは「投資信託」。本書で紹介されている銘柄は次の2つです。
(半額ずつ。最初の100万円はNISAで)
⑥確定拠出型年金を利用する
老後は年金も使える資産となりますが、運用に関しては「確定拠出年金」を利用するべきです。とくに、インデックスファンドで、上限まで活用しましょう。
⑦追加で投資信託を買う場合には、国内と海外で資産全体が半々になるように
資金に余裕がでてきたら、追加投資をしましょう。その場合には、国内と海外で資産全体が半々になるように調整しておけば、ある程度、地政学的なリスクにも対応可能です。
⑧ひたすらほったらかしておく
プロの投資家でないかぎり、本業に励むことは大前提。だからこそ、投資したものに関しては、ひたすらほったらかしておくのが王道です。
⑨まじめに働いて人生を楽しむ!
いくら投資がうまくいっても、日々の仕事を楽しめなければ、人生は味気ないものとなってしまいます。まじめに働くことで、スキルや能力がアップすれば、きっと人生も楽しいものとなるはずです。
⑩自己投資をしつつ、生涯はたらける術をもつ
本書では保険の必要性を否定しています。また住宅の購入にも否定的です。とくに若い世代は、「一生はたらくこと」こそ最強の保険だと思い、本業に勤しむべきだとしています。
まとめ
フランスの経済学者トマ・ピケティ氏の著書『21世紀の資本』は、学術書ながら異例の販売部数を記録しました。そんなピケティ氏が提唱するのは、「r>g」というシンプルな公式。その意味は、「長期的にみると、資本収益率は経済成長率を超える」というものです。
もちろん、ピケティ氏が提唱する理論が正しいかどうかについては、今後も議論を呼ぶところかと思います。しかし、わたしたちの生活に不確定要素があり続ける以上、経済成長率だけに頼ることはできそうもありません。だからこそ、投資について考えてみることが大切です。
本書を読むことで、まずは、投資に対する考え方をあらためてみてはいかがでしょうか。
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