ヒルティの『幸福論』に学ぶフリーライターの心得

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個人で仕事をしていると、自分自身の弱さをつねに痛感することになります。

生きる喜びは、仕事とともにあるヒルティの幸福論 (知的生きかた文庫)

そんなとき、世界の偉人が書き記した書物から、勇気を与えられることは多いです。ときに「やはり、いざというときに信じられるのは、活字と自分自身だけだ」と思ってしまうほどに。


・とにかく、できるところから着手する。次は、いまできることを、ひたすら一所懸命やる……。こうした習慣をつければいい。

やる気がでない、気分が乗らない、あれも気になるこれも気になる。そうやって逃げる口実を探しはじめていては、いつまで経っても仕事が進みません。仕事が進まないからやる気も出ない。締め切りが迫ってくればくるほど、まだ余裕があるとうそぶいているばかり。

そんなことをくり返していても、ラチがあきませんね。だからとにかく、できることから始めてみること。そして、やりながら集中力を高めていく。まずは5分だけでもいい。いつでもどこでも、無理にでも始められることは、大きな強みとなります。

・スピーディーに仕上げられた仕事は、ほとんどの場合、ベストの出来上がりであり、効率的にも優れている。一方で“見た目”を整えることばかりに神経を使い、時間を取られすぎるのは賢明とは言えない。

もっと詳しく調べてから、もっと細かい構図を考えてから。そうやって時間ばかりを浪費して、いい仕事ができたことは未だかつて一度もありません。それよりも、自らタイムリミットを設定してがむしゃらに書き上げた記事の方が、良い場合が少なくない。

つまり自分には、潜在能力としての書くスキルが、すでに整っているのです。あとはそれを信じられるかどうか。もちろん、日頃の鍛錬や努力を欠かしてはなりませんが、本番は自分を信じるのみ。細かなテクニックは、あとからいくらでも身につけられます。

・「今日はもう時間がない。いまから始めても無駄だ」という考えも取り除くこと。たとえわずかな時間でも、仕事はそれなりに進められるものだ。

細かなお金を扱えない人に、大きなお金を扱うことはできない。時間も同じです。あたかも無限に広がるかのように思える人生にも、必ず終わりはやってきます。それは1年後かもしれないし、明日かもしれません。もしかしたら、明日あるいは10分後かも……。

だから、わずか10分でも15分でも、仕事を前に進めること。文章を書くこと。それが悔いのない人生をおくるための秘訣と言えるでしょう。終わりの日は不明確。しかしそれは確実に有限。自分から時間を操作できるように、自らの時間軸を持つことです。

・仕事を変えながら、休息をとるというこの方法に慣れれば、ほぼ一日中働き続けることさえ可能になる。

受験勉強をより多くこなすためには、集中力の低下によって勉強する科目を変えればいい。仕事もまた同じです。ひとつの仕事への集中力が切れてしまったら、別の仕事に着手してみる。書くことに疲れてしまったら、読むことに切り替えてみる。そうして仕事のなかで休息をとるのです。

単純に、より多くの時間を仕事に費やせば、それだけ成果をあげられる可能性は高まります。もちろん、体力や気力、精神力を養うための時間は意識して用意する。そうやって、無理なく仕事時間を伸ばす工夫をしましょう。小手先のテクニックなど、時間術の前では何の意味もありません。

・できるだけ目標のために、あるいは、ある人に対する愛情を込めて働くように心がけることが大事である。――名誉や単なる快楽を追い求めれば、奴隷のように人に従うしかない。人生で本当に求めるべきものは、そんな名誉や快楽ではなく、“愛”だ。

何のために仕事をするのか。何のために生きるのか。そういった根源的な問いに答えられなければ、どんな仕事をしていても辛いだけでしょう。あるいはモヤモヤがとれることはない。気がついたら人生も終わりに近づいていたなんてことがないよう、今すぐ探しにいきましょう。

先達が言うには、「目標」や「愛」こそが、仕事のために大事だそうです。疑う余地はないでしょう。辛いとき、苦しい時ほど、自分が人生でなすべき目標、使命が、そして愛する人の存在が支えてくれます。あふれだす感謝の気持ちは、やがて人々への献身へと昇華するはずです。

まとめ

・とにかく、できることから着手する

・スピードが大事

・わずかな時間でも仕事はできる

・仕事を変えつつ、一日中仕事をする

・目標と愛のために働く

生きる喜びは、仕事とともにあるヒルティの幸福論: すぐ実行できて結果が出せる76の言葉 (知的生きかた文庫)

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