フリーランスにとって、もっとも厄介な事態とはなにか。それは「ライバルの出現」です。ライバルが参入することによって、価格競争が発生してしまう。生き残りがむずかしくなる。
では、そうした事態に対処するには、どうすればいいのでしょうか。まさか、ライバルに「参入しないで!」と訴えるわけにもいきません。自由競争においては、参入もまた自由です。
そこで考えるべきなのが、他の追随をゆるさない存在になるための手法です。いくらライバルが出現しても、つねに選ばれる存在であれば問題ありません。そういう状態をつくるのです。
「経験×実績」で独自の存在になる
フリーランスの意義は、活動そのものにあります。活動することによって、社会に貢献する。そのためにフリーランスは存在しています。だからこそ、着目するべきは活動です。
ライバルの参入であわてないためには、この活動において他を圧倒すればいいのです。具体的には、どのような価値を提供できるのかという部分で、独自の存在をめざしていく。
たとえば、「経営者のインタビュー書籍を書かせたら日本一」というライターがいた場合、その地位は、ライバルが参入してきてもカンタンには揺るぎません。つまり独自の存在です。
いいところはどんどん盗む
では、活動において独自の存在になるには、どうすればいいのか。まず、日々のすべての活動を、有機的にむすびつけることです。ムダなことをいっさいなくし、活動にひも付けます。
たとえば、日々の読書を仕事に生かすのは、それほど難しいことではありません。また、知人や友人から人脈を形成するというのも同様でしょう。つまり、積極的な公私混同です。
そのうえで、他人のいいところはどんどん盗む。自分の生活に組み込んでいく。そのようにして生活と仕事をアップデートし、成長のサイクルを形成する。結果、独自存在になるのです。
マネして差別化するの意味
独自の存在になれれば、自然と差別化できます。逆説的ではありますが、独自の存在をめざし、差別化を達成するために、自分の活動のはあくととも、他人のマネをするのです。
「他人のマネをしていては差別化できない」と考えるひともいるかもしれません。たしかに、マネをしているだけでは、ただの模倣者にしかならないでしょう。大切なのはむすぶこと。
つまり、自分の活動と、他人のマネをした部分とを、有機的にむすびつけ、アウトプットとしての活動をつくる。そこで生み出された成果は、世界でたったひとつの、独自なものです。
まとめ
他人のいいところはマネする。しかし、マネだけでなく、独自の存在をめざして自分の活動と有機的にむすびつける努力をする。さらには、あらゆる活動を成果へと連携させていく。
あとは、そこで生み出された活動の成果と、社会のニーズとを近づけていくだけです。日々の業務がただの作業でなければ、少しずつしかし確実に、成長していくことが可能です。
差別化のための戦術とは、ひととまったく異なることをし続ける、ということではありません。むしろ、活動の総体として独自のものを生み出すことにより、価値を創出するのです。