故マンデラ大統領から学んだ英雄になるための3箇条

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信念に生きる――ネルソン・マンデラの行動哲学

信念に生きる――ネルソン・マンデラの行動哲学

「オレ、英雄になれたかな……?」

というのは、『アルティメットヒッツ クライシスコア -ファイナルファンタジーVII-』で、主人公のザックスが最後に言うセリフ。うん、たしかに彼は、最後に英雄になれたと思う。

でも、これはあくまでゲームの世界のお話であって、現実ではないんだよね。だから、もし、本当に英雄になりたいと思っている人がいたとすれば、その人は、実在する(あるいは実在した)英雄から学ばなければならない。なぜなら、ぼくたちが住んでる世界は現実であって、それはとってもリアルだし、ときにとっても生々しいから。

そこで、『信念に生きる――ネルソン・マンデラの行動哲学』から得た、英雄になるための3箇条をご紹介しよう。少なくとも、彼を英雄だと崇めていた人は、数多くいたのだから。

あわせて、ご冥福をお祈りする。


英雄になるための3箇条

だれしも一度は、人生のなかで、英雄を感じたことがあると思う。それは両親にかもしれないし、兄弟にかもしれないし、友人や先輩、あるいは上司にかもしれない。

今一度、そのときのことを思い返してみてほしい。なぜあなたは、相手に対して英雄を感じたのだろうか。そのあたりに、英雄になるためのヒントが隠されている。

故マンデラ大統領の本を読むにあたって、少し、彼のことを調べてみた。弁護士としての活躍、武力に訴えた活動、長い獄中生活、そしてノーベル平和賞受賞と大統領としての功績。

意外だったのは、調べていくうちに、彼が聖人ではないことがわかったことだ。彼の活動自体は素晴らしいことだし、崇拝していた人もたくさんいた。しかし、彼は聖人ではない。それは、武力に訴えた時期があることからも明らかだろう。

それでは、なぜ彼は世界中から英雄視されているのだろうか。

1.透明で信頼できること

第一に、彼は「透明で信頼できる」人間だった。

マンデラ大統領の演説は、キング牧師やオバマ大統領のように、必ずしも聴衆を魅了するものではなかった。しかし、彼の語る言葉には、余計な装飾や嘘がなかったのだ。そのことが、彼の誠実さをより確固なものとした。

暴力に訴えた時期もあった。退屈な演説だと言われたこともあった。しかし、たとえ目をつぶりたくなるような過去があっても、欠点があっても、それらを隠さずに行動し続けることで、多くの支持を得ることができたのだ。

最近では、ビジネスにおいても、透明性や信頼がより重要視されている。オープンで信頼できることは、ひとだけでなく、会社としても大切な要素なのだろう。

2.自分をコントロールできること

世の中にはたくさんの誘惑がある。もし、身の回りを見渡してみて、敵が存在しないと油断している人がいるならば、ぜひ危惧してほしい。本当の敵は自分自身だということを。

どれだけ優れた発想も、どれだけ尊い思想も、行動に移されなければなんの意味もない。つねに不平不満を口にしているひとは、その発想や思想に問題があるのではない。そう、自分をコントロールして、行動に移さないことが問題なのだ。

時間がなければ、時間をつくれば良い。お金がなければ、お金を貯めれば良い。そうやって、本気になって考えてみれば、ほとんどの夢が実現可能だということに気付く。そして、過去、偉業を成し遂げてきた英雄というのは、そのように自分をコントロールして着実に目標を達成してきたのだ。

自分の本当の敵は自分自身。自分をコントロールすることで、英雄に一歩近づけるかもしれない。

3.ウブントゥ(Ubuntu)

「ウブントゥ」とはアフリカの言葉で「友愛」を意味する。もっと詳しく言えば

  • 他の人々の功績や貢献のおかげで、自分はこの世で何かを成し遂げることができる
  • 他者との利他的な交流を通じて、自分の最高の実力を発揮できる

ということだ。つまり、自分中心に物事を考えるのではなく、まわりとの関係性から自分を推し量るということだ。

誰しも、自分中心の人間を好まない。ゆえに、リーダーや英雄というのは、自分以外のために自分の命をも危険にさらすことができる人が望ましい。自己犠牲には、ひとの心を揺さぶる何かがある。

マンデラ大統領は、ウブントゥという考え方を大切にしていた。だからこそ、彼の言動や行動に、多くの人が賛同したのだろう。

まとめ

  1. 透明で信頼できること
  2. 自分をコントロールできること
  3. ウブントゥ 

たとえ英雄になれなくとも、この3つを胸に刻んで、文章を書きたいと思う。

お付き合い、ありがとうございました。多謝。

目次

序文――ネルソン・マンデラ
訳者まえがき――田久保 善彦
序章 多面的な人物
第1章 勇敢に見える行動をとれ
第2章 常に冷静沈着であれ
第3章 先陣を切れ
第4章 背後から指揮をとれ
第5章 役になりきれ
第6章 原理原則と戦術を区別せよ
第7章 相手の良い面を見出せ
第8章 己の敵を知れ
第9章 敵から目を離すな
第10章 しかるべきときにしかるべく「ノー」と言え
第11章 長期的な視野を持て
第12章 愛ですべてを包め
第13章 「負けて勝つ」勇気を持て
第14章 すべての角度からものを見よ
第15章 自分だけの畑を耕せ
マンデラからの贈り物

信念に生きる――ネルソン・マンデラの行動哲学

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