特定の産業において商品やサービス、組織構造が似る「同型化現象」はなぜ生じるのか?

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ある特性の産業において、取り扱う商品やサービスの内容、あるいは組織構造が似ていることは往々にしてあります。たとえばコンビニ各社。どのコンビニでも、商品、サービス、組織構造は似ているものです。

このような現象を「同型化現象」と言います。では、なぜ同型化現象が起こるのでしょうか。こちらの記事では、そんな同型化現象について解説しています。

同型化現象とは

かつては活況の様相を呈していた、商店街の生鮮食料品店、酒屋、魚屋、肉屋など。それらは現在、コンビニエンスストアにとって代わられています。その市場規模はスーパーの13兆円に迫る10兆円規模にまで成長しています。(平成26年時点)

セブン-イレブンやローソン、ファミリーマートなど、コンビニ各社はしのぎを削っています。それぞれが個性のある形態ではなく、似たような商品ラインナップ、サービス内容、組織構造で勝負しているのです。これがいわゆる「同型化現象」です。

同型化現象の具体的事例

同型化とは、特定の産業において商品やサービス、組織構造が似る現象のことです。たとえば既存の酒屋や魚屋は、同じコンビニエンスストアという業態に収斂されていきました。それぞれブランドは違えど、商品、サービス、組織構造は似ています

同型化が起きる理由は、企業間競争を勝ち抜いていくために、より有利な形態が自然と選択されるためだと考えられます。むしろ、消費者ニーズをとらえられない業態は自然に淘汰されてしまうため、と考えてもいいでしょう。

同型化のその他の理論

このように、競争によって同型化が起こると説明したハナン=フリーマンに対し、同型化の要因を3つに分類したのがディマジオ=パウエルです。

具体的には、次の3つの要因による制度的な同質化を示しています。

(1)強制的同型化:政治や法律などの強制力
(2)模倣的同型化:不確実性に直面している組織がモデルを模倣
(3)規範的同型化:専門家の言質や組織を越えたネットワーク

参考

http://www.initiaconsulting.co.jp/old/archives/management/1_11.html

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