コンテンツマーケティングにおいて企業のWebマーケティング担当者が気をつけておくべきこと

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 コンテンツマーケティングやオウンドメディア運営を実施する場合、企業のWeb担当者には多くの役割が課されます。

 目的やKPI、ターゲットの設定から、コンテンツの制作、効果測定にいたる一連のマーケティング戦略に加え、社内外のスタッフとの連携や指示出しなど、その業務は多岐にわたります。

 こうした多くの業務を円滑に進めながら、集客数などの会社に貢献する成果まで求められるのがWeb担当者なのです。では、Web担当者は業務を行ううえで、どのような点に気を付けていけばいいのでしょうか

まずはペルソナの理解から

 Webサイトをつくるだけが担当者の役割ではありません。コンテンツマーケティングには必ず「戦略」が必要です。そのなかで設計される、理想のターゲット像がペルソナ。担当者は必ずペルソナがどのような顧客なのかを把握しておかなければなりません。

 自社の顧客を詳しく知るという意味では、営業の社員と同じような感覚です。そのため、IT系に詳しい社員よりも、営業で結果を残しているセールスマンの方が、Web担当者として適している場合すらあります。

 コンテンツマーケティングでは、顧客に「いかに知ってもらうか」「気に入ってもらうか」が重要ポイントとなるため、Webに詳しいだけでは、到底成果を上げることはできません。

緻密な分析より実行力

 マーケティングという言葉が浸透する中で、効果的なツールも数多く出てきており、それらを利用して、緻密な分析をする人も増えてきました。

 さまざまなデータを集められるという点では、中小企業にもメリットの多い環境になりましたが、ここに落とし穴が潜んでいます。

 「一生懸命練習しても、試合に出なければ勝つことはできない」のと同じで、「一生懸命細かな分析をしても、実行に移さなければ効果は出ない」のです。

 中小企業の場合、あまり緻密な分析や調査に時間をかけるよりも、トライ&エラーで取り組んでいく方が効率的であることが多くあります。

 もちろん、戦略を立てる上で市場調査や分析を欠かすことはできませんが、「細かすぎる分析は中小企業には不要」ということです。

 うまく行かなければすぐに方向転換できる身軽さが、中小企業の良さでもあります。「マーケティング」という言葉の響きに惑わされて頭でっかちになるのではなく、「実行力」を強く意識しておくことが大切です。

初めのコミュニケーションが肝心

 コンテンツを社内で制作する場合も、社外に委託する場合にも、それぞれの担当者とミーティングで方向性を詰めながら進めていくことになります。

 その時、初回のミーティングでの対応が、その後の成否を左右することになるのです。社内で制作する場合はどの部署まで巻き込んでいくのか、社外に委託する場合は予算や承認フローをどうするかなど、基盤となる部分を漏らさず決めておく必要があります。

 なぜなら、「実行」の段階で何らかの変更があると、トラブルのもととなるからです。特に社外に委託する場合には、納期や予算の変更にも絡んでくるため、この点をきちんと話し合っておかなければなりません。その他、KPIやゴールの共有はもちろん必須です。

 プロジェクトを進めるにあたっては、コンテンツの質やサイトのデザインよりも、担当者のこうしたコミュニケーション力・交渉・折衝力という部分が、大きく影響してきます。

 したがって、初回ミーティングには特に入念な準備が必要ということになります。

一人で抱え込まない・業者に丸投げしない

 こういったWebでの取り組みで怖いのは、Web担当者が業務を抱えきれなくなって、プロジェクト全体がストップしてしまったり、業者任せとなった結果、期待していたものとはかけ離れた制作物になるなど、取り返しがつかない事態に陥ってしまうことです。

 これらは、ほとんどが「コミュニケーション不足」に起因します。こうした事態になった時には、それぞれが責任を他人に押し付けがちになりますが、こんな展開にしないためには、積極的なコミュニケーションが必要です。

 Web担当者は、上司や社内外のスタッフと協力する意識を持つことです。たとえば、コンテンツのネタが切れたなら、キーワードを他部署の社員と共有してみる。社外スタッフとのやりとりでうまくいかないところがあれば、上司などに間に入ってもらうなど、いろいろな工夫が考えられます。

 また、特に問題なく進んでいる場合でも、確認や相談などで定期的なやりとりをしておくことも、トラブルを防ぐポイントです。

 そして、「業者に丸投げ」は絶対にしないこと。戦略は自社で立て、あくまでこちらで舵を取って進めていくことです。そうすることで方向性はぶれることなく、業者側も求めていたものを提供してくれるようになります。

まとめ―Web担当者は自社の思いを伝えるのが仕事

 Web担当者には、多くの業務があることは最初に述べた通りです。しかし、自社で考えていることを、Webという媒体を通して外へ発信したり、社外スタッフに正確に伝えられれば、プロジェクトをうまく進めることができます。

 そうすれば、自ずとゴールまでたどり着く可能性は高まるはずです。

 つまり、本質的には「自社の思いや顧客を理解し、発信していくこと」がWeb担当者の役割ではないでしょうか。枝葉の業務に気を取られて、根幹部分をないがしろにすることだけはないようにしたいですね。

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