Maryland India Business Forum Luncheon / MDGovpics
大手企業にしろ、中小零細企業にしろ、「良い人材を獲得したい」という願いは同じです。会社の将来を見据え、少しでも戦力になってくれる人材がいるのであれば、積極的に採用したいという会社も多いことでしょう。
しかし、想定通りにいかないのが採用活動です。一部の大手企業を除いて、面接どころか、応募状況そのものが芳しくないという企業も少なくないのではないでしょうか。採用活動も競争である以上、ムリもありません。
ただし、チャンスもあります。学生もふくめ、優秀な人材は、必ずしも大手企業を目指していません。それよりも、「自分にあった仕事がしたい」「プライベートも楽しみたい」と希望している人が増えているのです。
そこでこちらの記事では、優秀な人材に応募してもらうための施策について考えていきたいと思います。とくにオススメなのは、「社内インタビュー」の活用です。
就職志望者はなにを求めているのか?
[Social Media Week] E se fossero i Social Media ad usare Voi? / Simone Lovati
そもそも、就職志望者はなにを求めているのでしょうか。志望者の動機を知らずに、自社の魅力ばかり伝えても、採用活動はうまくいきません。採用活動は、ある意味において「結婚」と同じです。自分のことばかり一方的に話す人を、好きになる人はいませんよね。
採用大手マイナビが行っている「マイナビ大学生就職意識調査(調査回答数12,526件、2016年3月大学卒業予定者)」によると、就職観の1位および2位は次のとおりです。
1.「楽しく働きたい(32.2%、対前年比0.5pt減)」
2.「個人の生活と仕事を両立させたい(24.1%、対前年比1.3pt増)」
また、大手企業への志望は減少し、中小企業への就職を視野にいれている人が増えています。
・「絶対に大手企業がよい」+「自分のやりたい仕事ができるのであれば大手企業がよい」の合計は前年比2.0pt減の42.9%
・「やりがいのある仕事であれば中堅・中小企業でもよい」+「中堅・中小企業がよい」は52.5%で対前年比1.9pt増
企業選択のポイントについても見ていきましょう。トップ5は次のとおりです。
1.「自分のやりたい仕事(職種)ができる会社(40.2%、対前年比0.1pt減)」
2.「安定している会社(26.3%、対前年比1.0pt減)」
3.「社風が良い会社(17.8%、対前年比1.4pt増)」
4.「働きがいのある会社(17.6%、対前年比2.1pt減)」
5.「勤務制度、住宅など福利厚生の良い会社(12.4%、対前年比1.1pt増)」
増減の部分に着目すると、「社風が良い」「制度や福利厚生」が伸びているのがわかります。行きたくない会社についてはどうでしょうか。
1.「暗い雰囲気の会社(36.0%、対前年比0.3pt減)」
2.「ノルマのきつそうな会社(31.0%、対前年比0.8pt減)」
3.「休日・休暇が取れない会社(27.4%、対前年比1.6pt増)」
また、「残業の多い会社(11.4%、対前年比1.1pt増)」も伸びています。
上記の結果からわかること。それは、「明るく、楽しく、やりがいのある仕事がしたい」ということに尽きます。なんだか、結婚相手に求める条件も、似たような結果になりそうですね。転職者の場合、ここに「職務内容」「待遇(給与)」などの細かい条件が加えられることになります。
採用活動を有利に進めるために。企業が伝えるべきこと
The man who thought different. / charliecurve
志望者がなにを求めているのかをふまえて、企業が発信するべき情報にはどういったものがあるでしょうか。まず、率直に、志望者が気にしている情報を提示するべきだと思います。まとめると次のとおりです。
- 仕事のやりがいについて(楽しく働けるか)
- どのような人が働いているか(楽しく働けるか)
- 1日の流れ(プライベートとの両立)
- 1週間の流れ(プライベートとの両立)
- 職場の雰囲気、社風について(職場環境)
- ノルマや休日について(職務内容)
- 給与、待遇、研修など(待遇全般)
就職志望者に対して、これらの情報を開示すれば、少なくとも就職先の「候補」にはあがります。そういった情報をあげず、基本項目しか掲載していなければ、その段階で検討される可能性がなくなってしまいます。
ただし、これらの情報については、すでに多くの企業が開示しているのが現状です。では、どうすればより効果的にアプローチできるでしょうか。ふたたび結婚に置き換えて考えてみましょう。
「自分にはこんないいところがあるよ」「こんなところが優れているよ」とアピールするのには、自ずと限界があります。聞いた相手は、どんなにアプローチされても「本当にそうなのかな?」と半信半疑のまま。一方的に伝えているので当然です。
そこで大手企業などでは、実際の活動について、普段から情報を開示しています。なかには、職場風景を公開している企業もありますね。そうした地道な活動は、一方通行的な情報開示ではなく、体験をつうじた信憑性のある理解へとつながるのです。(結婚前の「つき合う」という状態です)
しかし、そうした活動ができていない、今後もする予定がない企業はどうすればいいでしょうか。そこでオススメなのが、「人の声」を活用する方法、つまり「社内インタビュー」です。
代表・社員インタビューを活用しよう
会社の情報を発信するだけでは、どうしても無機質なものになってしまいます。いわゆる一般的な「採用情報」のワクを越えることなく、その他大勢と差別化できないのです。
「明るい会社です」「お客様の『ありがとう』がやりがいです」「職場の雰囲気はアットホームです」。どこかで聞いたセリフではありませんか? こうした情報を並べているだけでは、他社との差別化はできません。
そこで活用するべきなのが、「社内インタビュー」です。代表や社員にインタビューすることによって、「なぜ入社したのか」「仕事内容について」「職場の雰囲気はどうか」など、生の声を収集することができます。
結婚相手を決める際にも、いろいろな人が「あの人は良い人だよ」「すばらしい人格者だよ」「明るくて楽しい人だよ」と言ってくれたほうが、信憑性があります。人の話というのは、本人談よりも説得力があるのです。
事実、数多くの企業が、社内インタビューを掲載しています。
・ヤフー
・サイバーエージェント
・LINE
・Google
・DeNA
では、実際にどうやってインタビューを敢行したらいいのでしょうか。具体的な手法については、以下の記事をご参照ください。
参考
(1)http://saponet.mynavi.jp/enq_gakusei/ishiki/
(2)http://saponet.mynavi.jp/enq_gakusei/ishiki/data/ishiki_2016.pdf
(3)http://tenshoku.mynavi.jp/knowhow/reason/140214/index