わたしはブックライターとして、書籍を書かせていただくお仕事をしています。その際、欠かせないのが「編集者」の存在です。編集者がいなければ、いい書籍は生まれません。
では、なぜ書籍や雑誌には編集者が必要なのでしょうか。また、なぜライターが書いた原稿をそのまま発表するだけではダメなのでしょうか。その答えは、編集者の仕事内容にあります。
そこで今回は、あまり知られていない編集者(書籍、雑誌、Webなど)の仕事にフォーカスしてみたいと思います。編集者というのは、知れば知るほど、奥深い仕事だとわかります。
編集者とはなにか
そもそも編集者とは、文章を発表する媒体(書籍、雑誌、Webなど)に関して、総括する役割をになっています。しかし、文章を発表するとは言っても、その種類は多岐にわたります。
たとえば、一般的なビジネス書もあれば、小説やエッセイ集、写真集、専門書など、さまざまです。また、漫画やデザインブックなど、文字以外が主体となっているものもあります。
そのような媒体について、企画を練り、専門家に外注し、文章やデザインをチェックし、書店や広告代理店にアプローチする。編集者は、それだけ幅広い業務を担当しています。
編集者は5つの人格をもつ
視点を変えて考えてみると、編集者とは、それぞれ別の人格を使い分けているプロフェッショナルであるとも言えます。たとえば、代表的なものは次の5つの人格です。
プロデューサー
プロデューサーとは、主に企画のプランニングを担当するひとのことです。予算についても考慮しつつ、どの専門家に依頼するかなども考え、最終的に売れる企画を考案します。
ディレクター
企画段階のものをさらに発展させ、現場での作業に落とし込んでいくのがディレクターです。ライターやデザイナーへの指導、管理、監督、演出指示まで行う場合もあります。
アーティスト
写真やデザインが多い書籍をつくる場合、編集者には、アーティストとしてのセンス、あるいは知識も必要となります。専門家にとって「話のわかる」人でなければならないのです。
ビジネスマン
制作した書籍や雑誌は、最終的に売らなければなりません。だからこそ編集者には、芸術的な素養だけでなく、ビジネス感覚も問われます。商業出版であればなおさらです。
職人
売れる本だけがいい本ではありません。また、マーケティングだけを考慮しても、良い作品はできないのです。そこには、編集者のこだわりが必要です。編集者は職人でもあるのです。
ライターが文章を発表できるのは編集者のおかげ
このように、編集者はさまざまなスキルをもったプロフェッショナルです。ライターのように、取材と執筆だけしていればいいというわけではなく、マルチなスキルが問われます。
そういった編集者の努力があってこそ、いい書籍ができるのです。つまり、わたしたちライターは、編集者のおかげで文章が発表できていると言っても過言ではありません。
だからこそ、少しでも良い文章を書いて貢献し、編集者と二人三脚で仕事をしていくこと。それが大事だと痛感しています。編集者の仕事ぶりには、本当に頭がさがる思いです。
まとめ
これから編集者をめざそうと考えている方は、ぜひ、編集者にどのようなスキルが必要なのかを理解しておいてください。そして、激務であることを覚悟するべきです。
また、編集者とともに仕事をしているひとは、日頃の感謝をわすれないこと。文章でも、デザインでも、写真でも、すべては編集者がいるからこそ、より良いものになっています。
その仕事ぶりを学びつつ、もっと貢献するためにはなにができるのか。どうすれば、さらに良いものをつくることができるのか。編集者から学ぶことはたくさんあるように思えます。
参考文献
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