「ビジネス書」を書いて出版する法―あなたのビジネス経験とノウハウを商業出版しよう!
書籍を出版するメリットはたくさんあります。一般の方はもちろんのこと、自分でビジネスを行っている個人事業主や経営者ならなおさらです。では、具体的にはどのような利点が考えられるでしょうか。
直接的な利益としてまっさきに思いつくのは「印税収入」ですが、その他にも「自分の名前を売ることができる(知名度アップ)」、「仕事の依頼が増える(広告・宣伝)」、「お客さまが増える(集客)」、「仕事の幅が広がる(スキルアップ)」、「社会的な信用が増す(ブランド化)」など、多岐にわたります。
また、ビジネス書作家へとステップアップする道もあるかもしれません。可能性は無限大ですね。ただ、問題なのは「どうすれば出版できるのか分からない」ということでしょう。
電子書籍という選択
最近では、電子書籍としてわずかな費用で本を自費出版する方も増えています。今のところ紙の本ほどの売上は見込めませんが、出版のハードルを下げるためには画期的な手法といえるでしょう。今後の動向は未知数ですが、市場規模の拡大がある程度予想されています。
(出典:『Impress BUSINESS MEDIA』 http://www.impressbm.co.jp/news/130627/ebook201)
あやしい自費出版
もっとも、現状では電子書籍利用率が低い水準にありますし、既存の読書家が電子機器に精通しているとは限りません。となると、やはり紙の本として出版する方が、冒頭で述べたメリットを受けられることは間違いありません。売上という側面からしてもそうでしょう。
そして、多額の費用がかかる「自費出版」も、よほど売れる見込みがなければ、ビジネスの延長としてはあまり現実的ではありません。ちなみに、自費出版の費用は以下のとおりです。
<学生さんが自費出版する場合>
自費出版の一形態である「同人誌」の場合。
費用は同人誌印刷所でだいたい100冊5万円くらいから。
<一般の人が自費出版する場合>
1冊だけで十分な人はオンデマンド印刷やブログ製本で1冊1000円前後~。
あとは学生さんと同じで100冊5万円前後から。
<お金持ちの社長さんが自費出版する場合>
豪華なカバーとかケースとかフルカラー印刷とかゴージャスオプションをてんこ盛りにするので費用は高め。
500冊200~300万円前後~。
<共同出版で出版する場合>
出版社と著者とで費用折半であるかのように見せかけて、灰色疑惑の商法も多い。
低品質ながら100万円単位のお金をとられるのが一般的。
(参考:http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1046995435)
大手出版社から本を出版する方法
以上のことから、ビジネス書を出版して成功するためには、“大手出版社”から本を出すのがベストと言えます。彼らには、本の装丁やデザインだけでなく、売れる書籍を制作するためのあらゆるノウハウがあります。いざ出版となれば、それらを惜しみなく提供してくれることでしょう。
ただし問題もあります。出版社から本を出すには「売り込み」をしなければなりません。とくに、社会的な実績や話題性が十二分にあるのでなければ(メディアへの露出、コネ、高い知名度、多大な影響力、強力なコンテンツ(ブログ、webサイト etc)の所有など)、こちらからガンガンアプローチしない限り、出版にこぎつけることはできません。
いわゆる出版のための「営業」ですね。
『「ビジネス書」を書いて出版する法―あなたのビジネス経験とノウハウを商業出版しよう!』では、出版社への営業方法として、「6つの企画書セット」を送ることを提案しています。企画書セットの中身は次のとおりです。
- 送り状
- 企画書本体
- 表紙
- 目次
- サンプル原稿
- 略歴と連絡先
それぞれの詳しい中身についてみていきましょう。
1.送り状
送り状で伝えるべきことは「企画書を送ること」と「お手数をかけるお詫び」だけです。余計なことを書かず内容はシンプルにし、勝負は企画書本体で行いましょう。
2.企画書
もっとも重要な企画書には、次の2つの項目を盛り込みましょう。
①企画の趣旨
- おおまかな内容
- 伝えたい主張
- 他の書籍との差別点
- とくに強調したいこと
- ターゲットとなる読者層
- 自己PR
②企画の特徴
特徴を箇条書きにしてまとめる。
それぞれをコンパクトにまとめれば、より効果的にアピールできます。(本書には著者が出版社に送付した企画書が掲載されています。ご興味がある方は『「ビジネス書」を書いて出版する法』のP120,121をご覧ください)
3.表紙
表紙には、読者が思わず手に取りたくなるような「タイトル」と「キャッチコピー」を盛り込みます。編集者が企画書を読んでくれるかどうかにも影響しますので、熟考しましょう。
例1.
- タイトル:出版塾
- キャッチコピー:「持ち込み原稿」を立て続けに出版した著者が明かすマル秘ノウハウ
例2.
- タイトル:文章ハラスメント
- キャッチコピー:わからないのは、あなたのせいではありません。
4.目次
目次は読者の理解をうながすような構成にしましょう。章だけでなく節や項を加えたり、簡単な説明文を添付しても良いですね。ガチガチに構成してしまうよりは、変更の余地がある(アドバイスを受けやすい)体制にしておくことも大切です。
『「ビジネス書」を書いて出版する法』の目次は次のとおりです。
1章 自分の本を出そう!―こんなにある、出版のメリット
2章 実証があれば書く価値あり―何を書けばいいかは、本人だけが知っている
3章 原稿執筆の落とし穴―多くの原稿が採用されない理由
4章 企画書を作ろう―企画書セットで出版社にアタック!
5章 著書をどう活かすか―積極的に売り込もう!
5.サンプル原稿
サンプル原稿は、企画書からではわからない文章のニュアンスを確認してもらうためのものです。添付するのは冒頭の文章だけで構いません。文量としては以下を参考にしてください。
- 400字詰め原稿用紙:10~15枚
- B5サイズの原稿(1枚1,200字):3~5枚
- A4サイズの原稿(1枚1,600字):2~4枚
(本書には著者が出版社に送付した原稿が掲載されています。ご興味がある方は『「ビジネス書」を書いて出版する法』のP135~138をご覧ください)
6.略歴と連絡先
略歴については、その書籍を執筆できる理由、経歴、背景などを記載します。その略歴が読者の信頼につながりますので、書籍の内容と直接的に関係する実績に焦点を当て、簡潔にまとめましょう。
連絡先は次の5項目を記載しておきます。
- 名前
- 住所
- 電話番号
- FAX番号
- メールアドレス
(本書には著者が出版社に送付した略歴が掲載されています。ご興味がある方は『「ビジネス書」を書いて出版する法』のP140~141をご覧ください)
継続が大事
以上6点を、出版が実現されるまで継続して送付しましょう。始めのうちはなかなかレスポンスを得られないかもしれませんが、続けることが大切です。本屋で出版物を手にとってみたり、出版社のwebサイトを閲覧するなどして、送付する出版社を検討しつつ根気よく行いましょう。
たとえ出版にこぎつけることができなくても、場合によっては、出版の企画について編集者から提案されることがあるかもしれませんよ。可能性は無限大です。頑張りましょう。
実地で文章力を高めよう!
コツをマスターしたら、実地で書いてみましょう。最近では、クラウドソーシングと呼ばれるサイトから、簡単に文章作成やロゴ、デザインを受注できます。もちろん発注も可能です。ちょっとした副収入にもなるので、まずは登録だけでも済ませましょう。登録無料です。
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ヒトコトまとめ
大手出版社への営業は、「6つの企画書セット」送付から!
お付き合いありがとうございました。多謝。
<著者>
畑田洋行
1958年生まれ。資格スクールなど数社を経て独立。ビジネスマン向けの各種セミナーを実施するかたわら、ビジネス書の原稿を出版社に持ち込んで、立て続けに出版をはたす。現在は、その経験を活かし、ビジネスマンの出版をマンツーマンでサポートする通信形式の「出版塾」を主催。企画書の作り方や原稿の書き方について、きめ細かな指導を行ない、塾生の約70%が出版をはたしている。中小企業診断士。
<類書>
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コメント
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