成功には、確固たる法則がない。しかし、マーケティングにはある。
それを教えてくれるのが『売れるもマーケ 当たるもマーケ―マーケティング22の法則』だ。その名のとおりこの本には、22個のマーケティングの原則が掲載されている。
なるほどたしかに、そのすべてにおいて説得力があり、どれもが不変の法則のように感じる。時代が変わっても通用するだろうし、ある意味では「マーケティングの教科書」と呼べるかもしれない。
ただし、これら22個の原則を暗記しても、必ずしもそれを実行できるとはかぎらない。なぜか……。
大切なのは“たったひとつ”の本質だからだ。
22個の法則
掲載されているマーケティングの法則は目次にもあるように22個だ。内容が重なっていると思われるものをのぞくと、もう少し数は少なくなる。おおよそ10〜15程度ではないだろうか。
そのなかでも気になった法則が3つあった。それぞれ「知覚の法則」「正直の法則」「成功の法則」 である。順番にみていこう。
ポイント
「〜の法則」では意味が伝わりにくいので、それぞれ次のように要約した。
- 「イメージが大事」
- “本音”でポジティブアピール
- つねに顧客とともに
1.「イメージ」が大事
顧客は「イメージ」で商品を選んでいる。
「そんなバカな!?」と思われた方は、ためしに売れ筋の商品を思い浮かべてほしい。それらのほとんどが「CM」「広告」「インフルエンサー(影響力のあるひと)の勧め」で選ばれていることに気づくだろう。
もちろん、使い勝手に左右されることもあるが、あくまでも「イメージ」が基準となっていることに変わりはない。だれもが、コーラを“基準”にペプシを評価している。
消費者心理については「影響力の武器」についての記事も参照してほしい。
2.“本音”でポジティブアピール
正直はひとの心を開かせる。
商品の購入してもらうには、相手の心を開かせることが大切だ。そのためには、正直に「ネガティブな部分」を発表すると良い。
たとえばあなたは、以下のコピーをご存知だろうか。
「あーまずい。もう一杯!」
健康飲料でおなじみの『キューサイ青汁』に使われているものだ。
「まずい」は、非常にネガティブな要素である。だれも、まずいものなど飲みたくない。 しかし、まずいというネガティブな要素を正直に告白することで、その裏にある「だから効果がある」「だから体に良い」というポジティブな要素を、消費者に自然に受け入れてもらえるのだ。
正直は最大の武器なのである。
3.つねに顧客とともに
マーケティングの失敗は、企業の「エゴ」や「うぬぼれ」によっておこる。それらは、社内に客観性を失わせる。
だからこそ、「顧客とともに」企業も商品もサービスもあることを忘れてはならない。
そのためには、自分の目で確かめること。顧客になって考えることが大切だ。そしてマーケティングの現場とはつねに、顧客の心の中を指すのだ。
何が悪いのかわからなければ、一度、消費者のひとりになって入り口から入ってみると良い。
ヒトコトまとめ
マーケティングを考える上で大切なことは
「正解は常に顧客の心にある」ということ。
お付き合いありがとうございました。多謝。
<目次>
一番手の法則
カテゴリーの法則
心の法則
知覚の法則
集中の法則
独占の法則
梯子の法則
二極分化の法則
対立の法則
分割の法則
遠近関係の法則
製品ライン拡張の法則
犠牲の法則
属性の法則
正直の法則
一撃の法則
予測不能の法則
成功の法則
失敗の法則
パブリシティの法則
成長促進の法則
財源の法則