近年、書籍を出版する企業および経営者が増えています。
忙しい本業の合間をぬって、出版社およびブックライター(著者へのインタビューを経て文章を代筆するライター)と協力しつつ、自社の活動内容やこれまでの功績、社内のノウハウ、自らの想いなどを社会に発信しているのです。
では、なぜ企業および経営者は書籍を出版するのでしょうか。その理由として以下のようなメリットが得られるからだと考えられます。
企業および経営者が書籍を出版することで得られる3つのメリット
企業および経営者は書籍を出版することで得られるメリットは、大きく次の3つがあります。
企業のブランド力を高める
グローバル競争の激化や経済の低迷、人口減少などにより企業の価値が厳しく問われる時代の中で、自社のブランド力を高めることは大きな強みになります。
特に書籍を出版することは、企業イメージ、知名度、企業への愛着といった要素を向上させることで、ブランドの資産価値を形成することにつながります。
なぜならば書籍というものは誰でも公開できるウェブとは違い、出版社、取次、書店など様々な人の手を経て出版に至るため信頼度が抜群に高い媒体だからです。
一冊の本が持つ信用力はどんなに時代が変化しても変わることはありません。出版することによって、特定の分野の専門家やプロフェッショナルであるということを周囲へ認知させることができ、企業イメージの向上を図ることができます。
さらに、書籍が陳列される書店は露出の多いエリアに立地しているため、著者名や企業名が多くの方の目に留まる機会が増えます。また書籍を出版すれば、新聞や雑誌に広告を出したり、雑誌やテレビから取材を受ける機会も増えるのです。
出版記念セミナーや記者会見を開くことも可能です。このように企業の知名度が向上する様々なチャンスが広がります。
その一方、総じて出版費用はテレビCMなどと比較して簾価である為、他の広告に比べて費用対効果も高いといえます。出版は特に中小企業にとっては、莫大な費用をかけずに自社をアピールする確実に有効な方法です。
経営者が創業においてどのような顧客のニーズに応えようとしたのかという歴史や、自社の商品やサービスにどのような想いを託しているのかというストーリー、また社会に対してどんな影響を与えていきたいかという企業理念に至るまで、経営者の思いと企業の歴史を物語として伝えることのできる書籍は、一般的な広告とは一線を画した詳細かつ膨大な情報を発信することができます。
その情報は一般顧客のみならず投資家や取引先、ひいては社会全体にまで伝わりますので企業の認知度が飛躍的に高まります。またその企業を真に理解して応援するロイヤリティの高いサポーターが増えることも期待されます。
このような次第で書籍を出版することにより自社のブランドの価値を飛躍的に高めることが可能となるのです。
社員教育に役立つ
書籍を通じて社員の一人一人が自社の歴史や創業理念などのストーリーを改めて深く理解することは社員の仕事への意欲と誇りの源泉となります。
社史を正しく認識し、把握することは愛社精神を育む上で欠かせません。特に苦労が伴うことが多い会社の設立時などの出来事には感動的なエピソードが多いものです。
本でなければ知りえないそうした感動秘話を社員が読むことで、そこからしか得られない教訓を汲み取ることでしょう。
そして感動を得ることで、現在の働くことができる環境が多大な苦労のもとにあることを自覚し、先人に対して感謝の気持ちをもつことで、より仕事への情熱が高まります。
それにより、社員個々人の会社への信頼感を増大させると共に、そのような社員がその情熱や信頼感を伝えることで、取引先や顧客の方々にも好影響がもたらされるでしょう。
のみならず、個々の社員が今後、仕事の上で重要な決断に迫られた際に、過去に創業者がどういう判断をして窮地をくぐり抜けてきたかを知ることは重要な判断材料となります。まさに本を通して過去を振り返ることが未来の礎になるのです。
経営者自身にとっても、自分が辿ってきた歴史を振り返り、企業理念を改めて記すことで気持ちや思いを整理することができ、心新たに未来に取り組むことができます。
そのプロセスを通じて社員と経営者、双方の仕事に対する考え方や目指す方向性がお互いにずれていないことを確認することができます。その結果、社員全体のモチベーションが高まり、会社全体の結束力が強まります。
優秀な人材を獲得できる
近年、少子高齢化や有効求人倍率の上昇により、事業拡大に必要な人材の獲得に悩まされる企業が増えてきています。そのためどの企業においても、求職者の心を捉えられるような自社の仕事の内容や企業メッセージなどをいかに発信出来るかが重要な課題となってきています。
自社の書籍を出版することで企業理念は勿論、具体的な仕事の内容や会社の雰囲気などを詳細まで深く伝えることが可能なので、従来の求人媒体よりも会社の魅力を存分に求職者へアピールすることができます。
一般の方に事業内容が分かりにくい業態の企業の場合、この方法は特に有効です。繰り返し読むことが出来るという書籍の特性を生かして、求職者は仕事の内容を深く理解することができるからです。
また書籍から自分が実際に将来働いている具体的なイメージもしやすくなることから、近年増えているミスマッチによる入社後の早期退職を防げます。このような側面から、書籍出版により企業の未来を担う優秀な若手人材の獲得に成功できます。
まとめ
以上のような理由から、書籍出版は企業を経営する上で多大なメリットが得られると考えられます。
現在、様々な出版社が企業出版を手掛けていますので、新たなブランディングを考えている方はこの機会に是非一度相談されてみてはいかがでしょうか。
講談社
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