【3分でわかる】ザクッとカンタンに!入国管理・難民認定法の改正によって私たちのくらしはどうなるの?

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

2018年12月8日。入国管理・難民認定法の改正案が成立しました。事実上、外国人労働者を受け入れる枠組みが整った、と言えそうです。

審議の経緯については、とても褒められたものではありませんが、法案が成立したのは事実。私たちができるのは、「どうなるのか?」「どうするべきか?」を考えることでしょう。

そこでこちらの記事では、入国管理・難民認定法の改正案成立にともない、今後、予想される変化とその対象法について考えていきましょう。

スポンサーリンク
スポンサーリンク

なんで改正されたの?

そもそも、政府が掲げている成長戦略のうち、労働市場改革としては「女性活躍」「働き方改革」「外国人材の活用」の3つが対象となっています。

その背景にあるのは、言わずもがな“少子高齢化”です。子どもが減って、高齢者が増えていく社会。働き手が減るだけでなく、人口も減っていく日本。

「外国人労働力について」内閣府

そのような構造的な問題に対処するために、強い経済につながるであろう「女性活躍」「働き方改革」「外国人材の活用」が求められているというわけです。

そのうち、今回の改正は、「外国人材の活用」にあてはまります。政府与党が強い(有権者の支持率が高い)現状を考えれば、“当然の流れ”と言えそうです。

・首相官邸ホームページ

どのようにして改正されたの?

今回、成立した入国管理・難民認定法の改正案について、改正の経緯をカンタンに見ていきましょう。

経緯の参考資料としては、首相官邸ホームページに掲載されている以下2つの資料(PDF)がわかりやすいかと思います。

資料1 出入国管理及び難民認定法及び法務省設置の一部を改正する法律案の骨子について(PDF/112KB)PDFを別ウィンドウで開きます
資料2 新たな外国人材の受入れに関する在留資格「特定技能」の創設について(PDF/964KB)PDFを別ウィンドウで開きます

改正案の方針としては、端的に言うと、「日本で働ける外国人の枠を、これまでよりももっと広げましょうよ」ということです。

これまでの制度では、外国人は、「留学生」「技能実習生」「高度人材」しか日本で働けませんでした。とくに、長期で働ける就労ビザを取得できるのは「高度人材」のみ

たしかに近年、外国人労働者は増えており、厚生労働省による2017年時点で約127万8千人にのぼります。ただそのうち、長期で働ける外国人労働者は60万人と全体の2割ほど。

そこで、「もっと長期間にわたって働いてくれる外国人労働者をふやそう!」ということで、今回の改正に至りました。

※外国人労働者にかんする詳しい事情については、以下の記事も参考にしてください。

・コンビニ店員に外国人が多い理由|コンビニ外国人

<外国人労働者の推移>

<外国人労働者の内訳>

「外国人労働力について」内閣府

どんな内容なの?

改正案の中身としては、「一定の専門性・技能を有する外国人材を幅広く受け入れていく仕組みを構築する」ということになります。

具体的には、在留期間が最長5年で家族の帯同ができない「特定技能1号」と、更新可能で家族の帯同もできる「特定技能2号」が新たに創設されました。

また、受入れ機関に関する規定や、外国人の支援に関する規定なども盛り込まれており、外国人を受け入れる態勢を整えようとしている、というわけです。

ただし、対象となる業種(14業種)についての詳細や、受入れ機関への対応など、クリアになっていない問題もたくさんあります。

なにが問題なの?

外国人労働者の受け入れという、いかにも議論を呼びそうな法案を拙速に審議してしまった結果、批判・問題・課題は山積みとなっています。

たとえば、

・欧米各国は移民政策に失敗している。日本もそうなるのではないか?

・外国人労働者が増えることで、治安が悪化するのではないか?

・外国人に対する偏見や差別が助長されてしまうのではないか?

・低賃金で働かせるブラック企業の温床になるのではないか?

などなど。

あやまった理解にもとづく意見もある(治安の悪化との因果関係など)ものの、いずれにしても、議論がまだ熟していないことは間違いなさそうです。

しかし、入国管理・難民認定法の改正案が成立したことは事実。私たちは、今後の変化を受け入れつつ、適切に対応していかなければなりません。

これからどうなるの?

入国管理・難民認定法の改正案が成立したことにより、これからの日本ではどのような変化がおこるのでしょうか。見ていきましょう。

ほぼ確実に言えるのは、次の2点です。

①在留外国人が増える

近年、在留外国人はふえています。平成29年末における在留外国人数は256万1848人となり、前年末に比べて17万9026人(7.5%)増加。過去最高となりました。

国籍別では、多い順に、中国、韓国、ベトナム、フィリピン、ブラジル、ネパールなど、その中心はアジア圏となっているのがわかります。

今回の改正案により、外国人労働者はさらに増えていくと予想されます。すでに都内には、たくさんの外国人が居住・就労しており、それが各都市にも広がっていく可能性があります。

<在留外国人の国籍>

(1) 中国      730,890人 (構成比28.5%) (+ 5.1%)
(2) 韓国      450,663人 (構成比17.6%) (- 0.5%)
(3) ベトナム    262,405人 (構成比10.2%) (+31.2%)
(4) フィリピン   260,553人 (構成比10.2%) (+ 6.9%)
(5) ブラジル    191,362人 (構成比 7.5%) (+ 5.8%)
(6) ネパール    80,038人 (構成比 3.1%) (+18.6%)
(10) インドネシア  49,982人 (構成比 2.0%) (+16.6%)

「平成29年末現在における在留外国人数について(確定値)」法務省

<都道府県別の在留外国人数>

 (1) 東京都    537,502人 (構成比 21.0%) (+ 7.3%)
(2) 愛知県    242,978人 (構成比  9.5%) (+ 8.3%)
(3) 大阪府    228,474人 (構成比  8.9%) (+ 5.0%)    (4) 神奈川県   204,487人 (構成比  8.0%) (+ 6.6%)    (5) 埼玉県    167,245人 (構成比  6.5%) (+ 9.7%)

「平成29年末現在における在留外国人数について(確定値)」法務省

②外国人労働者が増える

厚生労働省は、外国人労働者が増えている要因として、次のような点を挙げています。

・ 政府が推進している高度外国人材や留学生の受入れが進んでいること
・ 雇用情勢の改善が着実に進み、「永住者」や「日本人の配偶者」等の身分に基づく在留資格の方々の就労が増えていること
・ 技能実習制度の活用が進んでいること

「「外国人雇用状況」の届出状況」厚生労働省

これらの状況は変わらず、さらに今回の改正案によって外国人が日本で働きやすくなるとしたら、当然、外国人労働者も増えるでしょう。

とくに、最も多くの外国人労働者がはたらいている製造業、さらにはサービス業や農業などの分野では、これから先、外国人と一緒に働くのがあたりまえになると予想されます。

「留学生・高度外国人材の受け入れの実態と課題」三菱UFJリサーチ&コンサルティング

私たちはどうすればいいの?

安倍総理は、今回の改正案を「移民政策ではない」と強く強調しています。ここに、私たちがやるべきことのヒントがあります。

では、なぜ安倍総理はそのような主張をしているのでしょうか。それは、現政権を支持している人々が、「イミンセイサク」という言葉に否定的な印象を抱いているからです。

それもそのはず。欧米各国では、移民政策の失敗による軋轢が社会全体に広がっています。そのため、「移民政策はダメだ」「イミンは避けよう」という雰囲気が根強くあるのでしょう。

労働力だけを得ることはできない

しかし、現実問題として、深刻な少子高齢化が進む日本では、外国人労働者を受入れざるを得ません。そして、そこで人が働く以上、生活の拠点も必要となります。

人が働き、生活をすれば、恋愛することもあるでしょう。なかには、結婚や出産に至ることもあるはずです。そのように考えると、「欲しいのは労働力だけ」などと言っていられません

事実、特定技能2号に関しては、更新可能で、家族の帯同も認められています。この先、そうした基準が、他の業種・職種・職能にも広がっていくかもしれません。

外国人とともに生きていくという意識

そのような前提がある中で、私たちは、外国人とともに生活していくことを、物理的にも情緒的にも認めざるを得ない、と言えそうです。

今回の改正案が、国民感情を無視して進められてしまったのは、そこに大きな問題があるわけです。しかし、成立してしまった以上、順応するしかありません。

つまり、多様性を受け入れられる自分になる、ということ。それは仕事だけでなく、教育も、文化も、さらには普段の暮らしに関してもそうです

おそらくこれからは、物理的にも情緒的にも、いち早く、外国人とともに生きていくことに対して“腹落ち”できた人こそ、より有利に、より楽しく生活できるようになるはずです。

おまけの考察

補足として、「外国人を受け入れると治安が悪くなる」という点について考察してみます。

まず、治安が悪くなるという言葉の意味は、「①犯罪が増える」「②環境が悪化する」の2つがあると考えられます。

1.犯罪は増えるのか?

「①犯罪が増える」という意見は、連日、外国人による犯罪の報道がなされているためでしょう。しかしそれは、すべての犯罪の一部でしかないということを忘れてはなりません。

そもそも、外国人労働者が犯罪せざるを得ないのには理由があります。それは、あまりにも日本での職場環境・条件が悪いから。パワハラが横行し、最低賃金以下の仕事もザラです。

しかし、辞めたとしても帰国することができない。日本語での交渉も難しい。その結果、犯罪にはしってしまうというわけです。これって単純に、構造的な問題ですよね。

日本人でも、犯罪をする人はたくさんいます。外国人だからするわけではありません。構造的な問題を解決し、教育や文化が変われば、犯罪の増加は杞憂になるのではないでしょうか。

「平成29年における組織犯罪の情勢」警察庁

2.環境は悪化するのか?

「②環境が悪化する」というのは、日本人ならではの風習や慣習、あるいはマナーを知らない外国人が、私たちの暮らしを悪くするという懸念だと思います。

たしかに、日本人的感覚をもち、日本ならではの生活に慣れていない人は、周囲に迷惑をかけてしまうかもしれません。知らないのだから仕方ありません

ただ、その点についても、多くの日本人が外国人を受け入れるマインドにさえなれば、問題ないのではないでしょうか。

どういう生活をしてもらいたいのかを明らかにし、それをわかりやすく伝えることができれば、ともに気持ちよく暮らせるはずです。むしろ、それが本来の社会ですよね。

スポンサーリンク
スポンサーリンク
スポンサーリンク
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

コメントをどうぞ

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

Comments links could be nofollow free.