フリーランス・個人事業主の開業&運営に関する諸手続きまとめ

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“新しい働き方”として着目されている「フリーランス」「個人事業主」。社会の変化にともない、これから先、多くの人がひとつの会社でキャリアを終えるという働き方からシフトし、自分で事業をするのが一般的になることが予想されます。

ただし、いざフリーランスや個人事業主として独立しようとしたとき、どのような手続きが必要なのかわからない方も多いのではないでしょうか。とくに役所の手続きは一覧で表示されているわけではなく、わざわざ出向いても二度手間になるのは必至です。

そこでこちらの記事では、フリーランス・個人事業主の開業&運営にまつわる手続きについてまとめました。これから先、フリーランス・個人事業主として独立開業しようと考えている方は、ぜひチェックしてみてください。

すべての人に必要な基本手続き

まずは、フリーランス・個人事業主として独立開業するすべての人に必要な手続きについてです。

フリーランス・個人事業主として事業を行い、利益を得た場合には、自分で納税をしなければなりません。会社員、アルバイト・パートの場合は会社が代行してくれますが、自営業者は自分で行います。(ちなみに、納税は国民の三大義務(勤労、教育、納税)のひとつです)

こちらで紹介している基本手続きとはつまり、税金を正しく納めるため(国税や地方税)のものと考えてください。そのため、提出先は「税務署」「各県市町村」となります。

個人事業の開業届出・廃業届出等手続

所得税法第229条にもとづき、新たに事業を開始したとき、または廃業したときに行うとされている手続きが「個人事業の開業届出・廃業届出等手続」です。

提出期限は、事業を開始した日から1ヶ月以内とされています。提出期限が土日祝日の場合は、その翌日が期限となります。手数料は不要です。

※平成28年度税制改正(マイナンバー制度)により、個人の方は「個人番号(マイナンバー12桁)」の記載(法人の場合には法人番号)が必要となります。

提出先は納税地を所轄する税務署となります。税務署の開庁日は土日祝日を除く平日、開庁時間は8時30分から17時までですが、送付又は時間外収受箱への投函も可能です。

申請書(国税庁)

書き方(国税庁)

https://www.nta.go.jp/tetsuzuki/shinsei/annai/shinkoku/annai/04.htm(国税庁)

事業開始等申告書

各自治体に対して、個人事業の開業を報告するための書類が「事業開始等申告書」です(東京都の場合であれば条例第26条関係)。

事業開始等申告書は、地方税(事業税、住民税)を納付するために必要となります。そのため、提出先は都道府県と市町村になります。

提出期限は、東京都の場合であれば開業から15日以内です。詳しくは、各自治体のホームページをご確認いただくか、各自治体にお問い合わせください。

申告書(東京都主税局)

記載例(東京都主税局)

http://www.tax.metro.tokyo.jp/shomei/index-z2.htm(東京都主税局)

「青色申告」を希望する場合の手続き

次に、「青色申告」を希望する場合の手続きについて見ていきましょう。

そもそも事業者の所得税は、「確定申告」によって算出されます。そしてその確定申告には、簡単な帳簿付けで行える「白色申告」と、簿記の知識が必要となる「青色申告」があります。白色申告は記入が簡単なぶん、青色申告における特別控除などの特典が受けられません。

個人事業主・フリーランスは、何も申請しなければ白色申告の扱いとなります。青色申告をしたい場合には、事前に以下の手続きが必要です。

(※青色申告制度:https://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/2070.htm(国税庁))

所得税の青色申告承認申請手続

所得税法第144条および所得税法第166条にもとづき、個人事業主・フリーランスが、青色申告を希望する場合に行う手続きが「青色申告承認申請手続」です。

提出期限は、開業した時期により異なります。1月15日までに事業を開始した人はその年の3月15日までに、1月16日以降に事業を開始した人は開業後2ヶ月以内となります。手数料は不要です。

提出先は納税地を所轄する税務署となります。税務署の開庁日は土日祝日を除く平日、開庁時間は8時30分から17時までですが、送付による手続きも可能です。

申請書(国税庁)

書き方(国税庁)

※最高65万円の所得控除が受けられるのは「複式簿記」を選択した場合です。簡易簿記(現金主義簡易簿記含む)を選択した場合の控除額は10万円となります。

https://www.nta.go.jp/tetsuzuki/shinsei/annai/shinkoku/annai/09.htm(国税庁)

青色事業専従者給与に関する届出手続き

所得税法第57条にもとづき、青色申告者が、青色事業専従者給与額を必要経費に算入しようとする場合に必要な手続です。

この手続を行うことによって、一定の要件を満たした配偶者や家族への給料を、経費にすることができるようになります。

提出期限は、算入時期により異なります。1月15日までに新たに青色事業専従者給与額を必要経費に算入しようとする場合はその年の3月15日までに、1月16日以降に青色事業専従者給与額を必要経費に算入する場合はその2ヶ月以内となります。手数料は不要です。

提出先は納税地を所轄する税務署となります。税務署の開庁日は土日祝日を除く平日、開庁時間は8時30分から17時までですが、送付による手続きも可能です。

届出書(国税庁)

書き方(国税庁)

※青色事業専従者の要件とは「①青色申告者と生計を一にする配偶者その他の親族であること」「②その年12月31日現在(専従者又は青色申告者が年の中途で死亡した場合には、それぞれ死亡当時)で年齢が15歳以上であること」等です。

※必要経費となる青色事業専従者給与額は、支給した給与の金額が次の状況等からみて相当とみとめられるもので、しかも、届出書に記載した金額の範囲内のものに限られます。
1.専従者の労務に従事した期間、労務の性質及びその程度
2.事業に専従するほかの使用人の給与及び同種同規模の事業に専従する者の給与の状況
3.事業の種類・規模及び収益の状況

https://www.nta.go.jp/tetsuzuki/shinsei/annai/shinkoku/annai/12.htm(国税庁)

その他、所得税の納税に関する手続き

上記以外の、所得税の納税に関する手続きです。

所得税・消費税の納税地の変更に関する届出手続

所得税法第16条または消費税法第21条にもとづき、住所地、居所、事業所等を有する方が、納税地を変更する場合に必要な手続きです。

提出期限はとくにありません。届出書の提出があった日以降、納税地が変更されます。手数料は不要です。

提出先は納税地を所轄する税務署となります。税務署の開庁日は土日祝日を除く平日、開庁時間は8時30分から17時までですが、送付又は時間外収受箱への投函も可能です。

届出書(国税庁)

書き方(国税庁)

転居の場合の手続きは「所得税・消費税の納税地の異動に関する届出手続」となります。混同しないようにしてください。

https://www.nta.go.jp/tetsuzuki/shinsei/annai/shinkoku/annai/05.htm(国税庁)

所得税の減価償却資産の償却方法の届出手続

所得税法施行令第123条にもとづき、減価償却の償却方法の届出をする場合の手続きです。新規開業時であれば、例外的な償却方法を選ぶために必要となります。

開業時の申請であれば、提出期限は開業した翌年の確定申告期限までとなります。手数料は不要です。

提出先は納税地を所轄する税務署となります。税務署の開庁日は土日祝日を除く平日、開庁時間は8時30分から17時までですが、送付又は時間外収受箱への投函も可能です。

届出書(国税庁)

書き方(国税庁)

https://www.nta.go.jp/tetsuzuki/shinsei/annai/shinkoku/annai/18.htm(国税庁)

所得税の棚卸資産の評価方法の届出手続

所得税法施行令第100条にもとづき、棚卸資産の評価方法の届出をする場合の手続きです。新規開業時であれば、例外的な評価方法を選ぶために必要となります。

開業時の申請であれば、提出期限は、開業した年の翌年の確定申告期限までとなります。手数料は不要です。

提出先は納税地を所轄する税務署となります。税務署の開庁日は土日祝日を除く平日、開庁時間は8時30分から17時までですが、送付又は時間外収受箱への投函も可能です。

届出書(国税庁)

書き方(国税庁)

https://www.nta.go.jp/tetsuzuki/shinsei/annai/shinkoku/annai/17.htm(国税庁)

消費税の納税に関する手続き

次に、消費税の納税に関する手続きについて見ていきましょう。

そもそも消費税とは、商品やサービスの提供に際して消費者が負担する間接税です。海外では「付加価値税」と呼んでいる国もあります。

一般の人であれば、買い物時に支払うだけのものです。しかし事業者は、買い物時に支払うのはもちろん、売上に対する消費税を消費者から預かることもあります。

そして、消費者から預かった消費税と、買い物時に支払った消費税の差額は、原則として、毎年3月31日までに精算し、申告・納付しなければなりません

ただし、すべての事業主に納付義務があるわけではありません。2期前を基準として、課税売上高が1,000万円を超える場合に納税義務が生じます。

納税義務者国内取引の納税義務者(国税庁)

納税義務の免除(国税庁)

消費税課税事業者選択届出手続

消費税法第9条第4項および消費税法施行規則第11条第1項にもとづき、免税事業者が課税事業者になることを選択する場合の手続きです。

提出期限は、適用を受けようとする課税期間の初日の前日までですが、開業時の提出であれば、その年の12月31日までとなります。手数料は不要です。

※平成28年度税制改正(マイナンバー制度)により、個人の方は「個人番号(マイナンバー12桁)」の記載(法人の場合には法人番号)が必要となります。

提出先は納税地を所轄する税務署となります。税務署の開庁日は土日祝日を除く平日、開庁時間は8時30分から17時までですが、送付又は時間外収受箱への投函も可能です。

届出書(国税庁)

記載要領等(国税庁)

※消費税の免税事業者が、なぜ、わざわざ課税事業者になるのか不思議に思う方もいるかもしれません。しかし、課税事業者であれば、設備投資などで消費税を支払った場合、売上にかかる消費税との差額について「還付」を受けることができるのです。ただし、課税事業者になると2期間は変更できないので、慎重な判断が求められます。

※なお、これまでに免税事業者であった者が、基準期間における課税売上高が1,000万円を超えたことにより課税事業者となる場合の手続きは、「消費税課税事業者届出手続」となります。詳しくは以下を参考にしてください。

消費税課税事業者届出手続(基準期間用)
消費税課税事業者届出手続(特定期間用)
消費税の納税義務者でなくなった旨の届出手続

https://www.nta.go.jp/tetsuzuki/shinsei/annai/shohi/annai/1461_01.htm(国税庁)

消費税課税期間特例選択・変更届出手続

消費税の課税事業者が、課税期間の特例の適用を受ける場合の手続きです。根拠法令は以下のとおりです。

【根拠法令】消費税法第19条第1項第3号、第3号の2、第4号、第4号の2、消費税法施行規則第13条第1項、第2項

提出期限は特例を受ける期間の初日に前日ですが、開業時の提出であれば、その年の12月31日までとなります。手数料は不要です。

提出先は納税地を所轄する税務署となります。税務署の開庁日は土日祝日を除く平日、開庁時間は8時30分から17時までですが、送付又は時間外収受箱への投函も可能です。

届出書(国税庁)

記載要領(国税庁)

※通常、個人事業主・フリーランスにおける消費税の課税期間は、1月1日~12月31日までの期間です。ただ、この消費税課税期間特例を受けることにより、3ヶ月毎あるいは1ヶ月毎に変更することができます。つまりその分、消費税の還付を早く受けることができるのです。

https://www.nta.go.jp/tetsuzuki/shinsei/annai/shohi/annai/1932_1.htm(国税庁)

消費税簡易課税制度選択届出手続

消費税法第37条第1項および消費税法施行規則第17条第1項にもとづき、簡易課税制度を選択する場合の手続きです。

課税売上高が5,000万円以下の事業者は、以下の2つの制度のうち、いずれかを選択することができます。本手続きは、「簡易課税」を選択する場合に必要となります。

「原則課税」:実際に支払った消費税額を記帳し、それをもとに納税額を算出する方法
「簡易課税」:仕入れに関する消費税を、業種ごとのみなし仕入率で算出する方法

提出期限は特例を受ける期間の初日に前日ですが、開業時の提出であれば、その年の12月31日までとなります。手数料は不要です。

提出先は納税地を所轄する税務署となります。税務署の開庁日は土日祝日を除く平日、開庁時間は8時30分から17時までですが、送付又は時間外収受箱への投函も可能です。

届出書(国税庁)

記載要領(国税庁)

※簡易課税方式は税額計算が簡単なことに加えて、税負担が軽減されるメリットがあります。ただし、場合によっては損をすることもありますので、業種ごとのみなし仕入率をきちんと確認しておきましょう。

https://www.nta.go.jp/tetsuzuki/shinsei/annai/shohi/annai/1461_13.htm(国税庁)

開業&運営の手続きはお早めに

このように、個人事業主・フリーランスの開業&運営にかかる手続きはさまざまです。なるべく早く着手することによって、スムーズに開業できるようにしておきましょう。

手続きにともなう税金の処理節税対策については、税理士に相談することをオススメします。新規創業・開業に強い税理士や、税理士ドットコム などのサービス、あるいは税理士紹介ネットワークを活用してみましょう。最低限、登録だけでもしておくべきです。

なお、開業時あるいは開業後に従業員を雇用する場合、別途、手続きが必要となります。詳しくは、「従業員の雇用に関する手続きまとめ」をご覧ください。

参考

新たに事業を始めたときの届出など(国税庁)

税務手続の案内(国税庁)

税についての相談窓口(国税庁)

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