論理的な文章を書くためのテクニック②帰納法

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帰納法を使って論理的な文章を書く方法について解説しています。

帰納法とは

帰納法とは、「複数の事象(前提)」から、「ひとつの要約(推測される結論)」を導くものです。とくにビジネスの現場でよく使わています。

前提と観察事項が正しければ、結論も絶対的に正しくなる演繹法とは異なり、帰納法の場合には論理的には正しくとも、結論は“推論”にとどまります。

帰納法の具体例

私は眠気覚ましにコーヒーを飲むことを提案する。その理由は3つある。1つ目は、徹夜の多いAさんが眠気覚ましにコーヒーを飲んでいること。2つ目は、学会でコーヒーが眠気覚ましに効くと発表されていたこと。3つ目は、信ぴょう性のあるテレビ番組でコーヒーが眠気覚ましに最適だと報じられていたこと。以上のことから、私は眠気覚ましにコーヒーを飲むことを提案する。

論理構成

「徹夜の多いAさんは眠気覚ましにコーヒーを飲んでいる」(事象1)
「学会でコーヒーが眠気覚ましに効くと発表されていた」(事象2)
「テレビでコーヒーが眠気覚ましに最適だと報じられていた」(事象3)
→「眠気覚ましにはコーヒーが良さそうだ」(推論)

帰納法

帰納法の特徴

帰納法は、いくつかの観察事項(事象)から、もっともらしい推論(要約)を導きだす論理展開です。とくに不確定要素が多いビジネスの現場で広く使用されています。

帰納法で用いられるそれぞれの観察事項は、同じ種類の思考(例:眠気覚まし+コーヒー)であることがポイントです。

帰納法の注意点

帰納法で導かれる結論は、あくまでも“論理的に正しい推論”でしかありません。どれだけデータを集めても、コーヒーが眠気覚ましとして向かない人がいることを否定できないのです。

また、収集する事象は複数個必要です。ひとつの事象からでは、結論を導くロジックとして不十分となります。説得力を高めるために、最低でも3つの観察事項を集めましょう。

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