「長編小説を書きたい!」と思っても、いざ実際に書いてみると、なかなか思うように進まない。そのような人も多いことでしょう。無理もありません。それこそ原稿用紙200~300枚(8万~12万文字)の文章を書こうとしたら、それなりの準備が必要となります。
そもそも小説には、「短編小説」と「長編小説」があります。厳密な決まりはないものの、短編小説はおおむね100枚ほど、長編小説は200枚以上が基本です。ではその間は何か。100枚以上200枚以下は、いわゆる「中編小説(長めの短編、短めの長編とも)」となります。
そのうち、とくに文量が多いのは長編小説です。普段から文章を書き慣れていない人であれば、「原稿用紙10枚でも大変だよ」と思うかもしれません。300枚超ともなればなおさらです。では、どうすれば長編小説が書けるのでしょうか。ポイントを探っていきましょう。
「長編小説」の書き方
『公募ガイド 2017年 11 月号 [雑誌]』では、長編小説に挑戦する方を応援するための企画、その名も「長編小説に挑むあなたをお助けします」が掲載されています。これから長編小説を書こうと思っている人は、きっと気になるのではないでしょうか。
そこでこちらの記事では、本企画を参考にして、「長編小説を書くための手順」と「構成の作成方法」についてまとめています。本記事にて、まずは、長編小説を書くためのキホンを身につけてみてください。
そのうえで、さらに詳しく長編小説の書き方について知りたい方は、『公募ガイド 2017年 11 月号 [雑誌]』を手にとっていただければと思います。本書には、プロット作成のコツや人称についてなど、長編小説を書くために必要なポイントが掲載されています。
長編小説を書くための手順
長編小説を書くための手順としては、以下の5ステップが紹介されています。
1.賞の特徴を知る。受賞作を読む
→選評には「こういう作品を望む」のヒントがある。それを参考にしましょう。
2.題材を決める。下調べをする
→自分の好きな文芸ジャンルで、自分の書きたいことを書く。
→とくに初心者は、自分に近い環境の主人公とし、なじみのない世界は扱わないこと。
※平凡な日常を書くのではない
3.構成案を練り、プロットを作る
→プロットを綿密に作る。書く前に考え尽くす。
4.さらにプロットを詰めてから執筆
→セリフや情景、心情も詳しく詰めていく。
5.完成したら寝かせる。徹底的に推敲する
→辻褄が合わない、不自然な箇所などを確認。その後、用語用字、表記の不統一を見る。
長編小説の構成を作成する
長編小説の構成については、「あらすじと設定」を考えてから、構成を考えるという手順になります。
あらすじと設定を考える
①あらすじ②舞台設定③登場人物を決める。
構成は「3幕構成」で
第一幕:全体の4分の1
☆「セットアップ(導入部。5~10枚、5W1H、何のジャンルなのか)
→カタリスト(きっかけ)
→セントラルクエスチョン(主人公の目的とそれは実現するのか)
→第一ターニングポイント(大きな事件、衝撃的な事件があり、主人公を次のアクションへと向かわせる)
第二幕:全体の半分
☆「デベロップメント(展開、変化)」
→ミッドポイント(全体の折り返し地点)
→第二ターニングポイント(展開した話が結末に向かう)
※「サブプロット(設定、展開、解決)」を入れて作品に奥行きを与える。メインプロットに絡ませて結末へ。
第三幕:全体の4分の1
☆「リゾレーション(解決)」
→クライマックス(主人公の目的が実現するかどうかの大きな事件があり、それを乗り越え、セントラルクエスチョン(目的を実現できるか)が解決する
まとめ
・長編小説の手順
- 賞の特徴を知る
- 題材の決定と下調べ
- 構成案とプロット
- プロットを詰めて執筆
- 寝かせて推敲する
・長編小説の構成
- あらすじと設定を考える
- 基本は三幕構成でつくる
「到底かけない!」と思うような長編小説も、手順と構成を理解してコツコツ書いていけば、書き上げることが可能です。ぜひ、チャレンジしてみましょう。