ヒット作の要諦!読者が小説に求めているものとは

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 小説のうち、とくにエンターテイメント小説を書こうとする人は、自分が書きたいものを全面に出すというより、「読者が読みたいもの」を意識することが大切です。なぜなら、読者が読みたいものを提供することが、作品に商業的価値をもたらすからです。

 考えてみると当然なのですが、小説を出版するという行為は、出版社が行うビジネスです。ビジネスである以上、提供するものが金銭的価値を生む必要があります。つまり、売れることが前提になっているのです。

 そうなると、発表されるすべての作品が、一定の売上を見込んでいるのは当然でしょう。むしろ、売上を度外視して作品を発表し続ければ、赤字が積み上がり、どれほど大きな出版社でも潰れてしまいます。それが、出版業の基本なのです。

 事実、どんな本を出版するのでもコストがかかります。費用を支払って出版し、その本が売れることによってコストを回収する。残った部分が利益となり、次の出版に使える原資となります。シンプルに考えると、それが出版の仕組みです。

 その点において、いかに売れる作品を生み出していくかということは、出版社にとっての死活問題となります。もちろん、ときには売上を度外視して社会に問うものもあるでしょうが、それだけでは営利企業として活動していけないのも事実です。

 出版業は社会性や公共性が強い部分もあるため、難しいところではあるのですが、いいものを提供しつつしかも収益をあげていけるかどうかが、どの出版社にも問われているかと思います。だからこそ、ヒット作を生み出すことは大事なのです。

 とくに小説の場合、ヒット作の提供を偶然に頼るわけにはいきません。「数撃ちゃ当たる」という発想もありますが、数を撃つのにもコストがかかりますし、そのすべてが外れてしまえば、早晩、倒産の憂き目を見ることとなるのです。

 もちろん、100発100中というのは現実的ではありませんが、せめて、発表する作品の何割かはヒットさせる必要があります。また、たとえヒットしなかった作品についても、赤字にならないレベルに留める努力が不可欠でしょう。

 そのために求められるのは、「読者が何を求めているのか」を理解することに尽きます。お金を払って小説を読む読者は、そこに何を求めているのか。この点を、徹底的に追求する必要があるのです。そしてそれを、作品に反映させること。

 たとえば、エンターテイメント小説を読む読者は、作品に何を求めているのでしょうか。端的に表現すると「スリル」「感動」「学び」「答え」などではないでしょうか。それらすべてを含めて「刺激」と表現してもいいかもしれません。

 想像力によってもたらされる刺激、感動によって生じる刺激、知ることによって生まれる刺激を追い求めて、人は小説を読むのでしょう。しかもそれらは、現実から遠く離れて、あたかも時間的・空間的なトリップとなります。

 小説を読んでいるときは、日常の嫌なことや辛いこと、苦しいことを忘れて、ドキドキしたりゾッとしたりできる。他人の人生をリアルに体感することによって、エキサイティングな疑似体験ができる。それこそ、小説の魅力なのです。

 私たちは、安全・安心な環境を求めながら、一方で危険な状況も希求しています。ただ、本当に危険な状況が連続すると安心できないので、自分ではなく他人の危険を疑似体験し、そうすることでスリルを味わっています。

 とくに、安全な立場から享受する他人の危機や不幸というのは、「生きている」実感を強く感じさせるとともに、なんとも言えない快楽をもたらします。ときには、価値観すらも歪めるほどの経験をすることもあるでしょう。

 いずれにしても、そのような経験は「退屈」とは真逆の方向性です。ふとすると退屈を感じやすい現代には、そうした刺激が必要なのかも知れません。求められているものを提供することもまた、作家の使命でしょう。

 刺激的な読者体験を提供できる作家は、良質なコンテンツを生み出します。その前提と鳴るのは、読者が小説に求めている要素であり、それを深く追求した先にある作品の本質なのです。

■まとめ

・読者が求めているものを知ること
・ヒット作の裏には「刺激」がある
・読者を日常生活から抜け出させよう

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