プロでなければ、厳しい世の中で生き抜くことはできない。
やさしくなければ、生きている価値がないように。
・「地道な努力は必ず報われる」という信念を持っている。
地道な努力がかならず実るという保証はありません。それどころか、お金をはじめとする成果に直結しなければ、継続するのがだんだん嫌にもなってくる。そこで立ち止まってしまうか、それとも踏ん張りながら継続するか。それを支えるのが「信念」です。
かつてアウンサンスーチー女史も、ある講演で信念の大切さを訴えていました。一見して無駄に思えることも、徒労に感じられることも、信じて行い続けること。その先にこそ栄光があるのだと、そう言っていたと記憶しています。重い言葉ではありますが、実感を伴った強い言葉として、胸に残っています。
・なぜ、そんなに「妻子を食わせる」ことが難しいと考えるのか。
挑戦をしない。リスクをとらない。レールから外れない。なぜなら、妻子がいるから。そんなつまらない言い訳をどれほど耳にしたことでしょうか。なるほどたしかに、妻子は大事でしょう。もっと言えば、現在の仕事も、地位も、名誉も、友人も、親類やその他の人間関係も大事です。
しかし、たった一度しかない人生で、なぜあなたが大切にしているものを「挑戦しない言い訳」に利用するのですか? 本当に死にものぐるいで働けば、妻子を食わせることなど雑作もないことです。この平和で豊かな日本において。妻子も、友人も、家族も、すべてあってこそ“真のあなた”なのではないですか?
・自らの心が満たされるチャンスがあるならば、経済的なリスクがあっても果敢に挑戦する。
一度あげてしまった生活水準をもとに戻すのには、大変な苦労がともないます。ただ、自らの心を満たそうと努力を続けるかぎり、精神的な満足度が低下することはありません。充実した人生の前に、経済的なリスクなど取るに足らないことなのです。
プロとして仕事をすること。つねに最高のものを提供しようと努力を続けること。そうやって挑戦することに、いや、挑戦し続けることそのものに心が満たされるチャンスがあるのです。経済的な満足などただの幻でしかありません。また反対に、経済的なリスクが消えることも幻想なのです。
・逃げ道を用意すると、かえって力を出し切ることができません。
背水の陣で臨むこと。自ら逃げ道を断ってしまうこと。そうすることで、心が吹っ切れます。どうせもう、逃げることができないのなら、目の前のことにただ無我夢中に取り組むだけ。余計なことを考えている暇はありません。そういった精神状態を続けることで、道は開けてくるのです。
リスクを上手に管理することは、一見賢いように思えますが、いつも全力を投下できない中途半端な姿勢が身に付いてしまうことも見逃してはなりません。とくに自分自身の身の降りように関して言えば、賢明さよりも、ときに無謀な挑戦心の方が、大きな実りをもたらしてくれるのです。
・日頃から自分を支えてくれる人たちに感謝し、周囲の人たちに対しては春風のような柔らかさで接しなくてはならない。他方、自分に対しては、甘やかすことなく、プロとしての高い目標達成のためにあくまで秋霜のごとく、厳しく身を持さなければならない
本当に自分の好きな仕事に携わっていられるとき。どれだけ苦しい状況でも、周囲の人々や環境に感謝せずにはいられなくなります。なぜなら、自分をめいいっぱい表現できるチャンスを与えられているのだから。人が生きていくなかで、これほど嬉しいことはありません。
だからこそ、自分を支えてくれるすべての人々に惜しみなく感謝し、春風のような柔らかさで接すること。そして、自分自身に対しては、秋霜のごとく、目標への努力を欠かさないよう律すること。こうしたごくごくあたり前の姿勢がプロとしての自覚につながります。
まとめ
・「努力は必ず実る」という楽観主義をもつ
・妻子を挑戦の言い訳にしない
・経済的なリスクに怖気づいて、チャンスを逃さない
・自らに「背水の陣」を敷く
・他人には「春風」のやさしさを、自分には「秋霜」の厳しさを