みなさんこんにちは。東北在住ライター/ブックライターの山中です。
今回は、「ブックライターのお仕事ってどんな感じなの?」というテーマで、ブックライターの基本情報から普段の仕事内容、そしてブックライターをする(依頼する)にあたって注意しておきたいポイントについてまとめてみました。
これからブックライターになりたいと考えている方、あるいはブックライターに依頼して書籍をつくりたいと考えている方の参考になれば幸いです。
ブックライターとは
そもそもブックライターとは、文字通り「本をつくるライター(執筆者)」のことです。
具体的には、出版社の方で企画内容や著者の選定があり、その上で「文章をライターに書いてもらおう」と決定した後、ブックライター側に依頼があるのが一般的です。
もちろん、すべての書籍がブックライターに依頼されてつくられているわけではありません。むしろご自身で書かれるケースも多いです。
「当然では?」と思われるかもしれませんが、実は、とくにビジネス書の世界では、著者が有名な経営者でバリバリ活躍されているケースも多く、なかなか自分で書く時間がとれないことも少なくありません。
そこで必要とされるのが、「話した内容を文章にまとめる」ブックライターというわけですね。
ブックライターの仕事内容
前述のとおり、ブックライターの仕事はあらかじめ決められた著者の代わりに文章を書くことです。
ただし、この場合の「代わり」にというのは「代筆する」という意味ではなく、「著者の言葉を文章に“なおす”」「文章として整える」というイメージのほうが正しいです。
そのため、私は「整文化」などの言葉を使うこともあるのですが、それはすなわち、「コンテンツの発信元はあくまでも著者である」ということを基本にしているからです。
ここを間違えてしまうと、いわゆる「ゴーストライター」のような「代筆する人」になってしまい、それは私の考えるブックライターとは大きく異なります。そしてそれは読者を騙すことにもなってしまうと思うのです。
ですので、繰り返しになりますが、ブックライターの仕事はあくまでも著者の言葉を文章化すること。文章化を経てそのコンテンツを一冊の本にするのがブックライターのお仕事なんですね。
ブックライターの一日
では、ブックライターはどのような一日を送っているのでしょうか。私のケースを紹介したいと思います。
まず、ブックライティングを起用した場合の書籍制作の流れは次のようなイメージです(あくまでもざっくりこんな感じです)
1.企画の作成
2.著者の選定
3.ブックライターの選定
4.取材
5.執筆
6.編集(加筆修正や追加取材なども含む)
7.完成
このうち、ブックライターが主に関係しているのは3番から6番までです。5番までのこともあります。その場合は1〜3番に加えて6〜7番を編集者が担うことになります。
こうした内容を踏まえてブックライターの一日について考えてみると、おおむね次の3つの作業があることがわかります。
1.取材
2.原稿の執筆
3.打ち合わせ
当然2番には資料の収集や読み込み、整理などを含みますし、3番にはメール連絡なども含みます。ですので、大きく分類すると、ブックライターは取材をして、原稿の執筆をして、打ち合わせをするのが仕事となります。
私の場合は、朝は集中して執筆し、日中は取材や打ち合わせがあればそちらを優先し、それらがなければ〆切の状況を加味してさらに執筆するイメージです。仕事以外にも小説を書いているので、それらのバランスを調整する感じですね。
あとは座りっぱなしの仕事なので、簡単な筋トレとか有酸素運動(クロストレーナー)もできる限りするようにしています。腰痛対策とか体力強化にもなりますし。でも、本当に簡単なものだけです。
どうすれば良いブックライティング(本づくり)ができるのか?
ここまでかなり端折ってブックライターのお仕事について紹介してきましたが、では、どうすれば良いブックライティングができるのでしょうか。
これは私もよく考えるテーマなのですが、とはいえ、ブックライターの仕事内容について考えてみると、自ずとひとつの答えが浮かび上がってくると思います。
そもそも、ブックライターの仕事は「著者の言葉を文章化する」ことにあります。つまり、伝えたいことや主張したい内容について考えることは、ブックライター本来の仕事ではないわけです。
ですので、著者が伝えたいメッセージやその内容をまずきちんと把握する必要があります。その上でそれを読者に伝えるべく工夫していくこと。そこに取材と執筆をつなぐ鍵があります。
「話をきちんと聞いて理解すること」「聞いたことを他の人に伝えるべく工夫すること」。この2つが、ブックライティングの基礎になると思います。ブックライターはそのために日々努力を重ねているのですね。
真心と信頼関係が良い書籍を生む
以上の内容をまとめると、抽象的な言葉になってしまいますが、「真心」と「信頼関係」こそが良い書籍を生むための欠かせない要素であるとわかります。言葉としては平易ですが、結構むずかしいことだったりします。
私もこれまで100冊以上の書籍をブックライティングさせていただき、その一部を紹介しているページもありますが、それでもブックライティングはやっぱりむずかしいなあと感じています。
ですが、もちろんやりがいもありますし、自分で良い本ができたなあと思えたときは達成感もあります。何より著者や編集者、そして読者に喜んでいただけるのはありがたいことです。
私自身フリーランスなので安定しているわけではありませんが、一つ一つの仕事にやりがいを感じることで「今回も学べたなあ」「いい本になったなあ」と感慨深くなることもあります。
ですので、これからブックライターになりたい人、あるいはブックライターに依頼したいと考えている人は、ぜひ本記事をなにかの参考にしていただけると嬉しいです。
多謝
<参考記事>