みなさんこんにちは。東北在住ライター/ブックライターの山中です。
今回は、「ブックライターって本当に必要なの?」というテーマで、あらためてその必要性について、ブックライターの“役割”という側面から考えてみたいと思います。
「そもそもブックライターって代筆のこと?」「ブックライターとゴーストライターってどう違うの?」などの疑問をお持ちの方も、ぜひ参考にしていただけると嬉しいです。
ブックライターとは
そもそもブックライターとは、文字通り「本をつくるライター(執筆する人)」のことです。
とくにビジネス書の多くは、経営者やスポーツ選手などの表に出る「著者」が実際に文章を書いているとは限りません。
雑誌やウェブなどの記事を編集してまとめられることもありますが、基本的には、「著者」「編集者」「ライター」などとともに取材を通してまとめられるのが一般的です。
そのとき、取材と執筆を担当するのがブックライターとなります。
ブックライターの役割
ですのでブックライターの役割としては、ざっくり次のようになります。
1.取材
2.執筆
「取材」は、あらかじめ作成された本の構成案に沿って、質問と回答を繰り返しながらコンテンツを収集する作業となります。ここで話された内容がメインコンテンツとなるわけです。
「執筆」は、文字通り文章を書く作業となります。取材で集められたコンテンツを、書籍の構成案や内容に沿ってまとめていきます。
もちろん、取材時に得られた内容だけでは情報が足りない場合は、他の文献やウェブなどを調べながら、補足的に内容を加えていくこともあります。
ブックライターは本当に必要なのか?
以上がブックライターの担う役割なのですが、では、そのような作業に従事するブックライターは本当に必要なのでしょうか。
もし、「本を出したい」「出してほしいと言われている」すべての著者が、ご自身の仕事をしつつ、それほど時間をかけずにかつ一定のクオリティで本を書けて実際に出版に至るのなら、ブックライターはいらないと思います。
それが、多くの人(一般読者)が抱いている本のあり方だからです。
ですが、問題はそれが難しいこと。出版社側は、会社を存続させるためにも本を出さなければなりませんし(その背景にはいろいろありますが話が複雑になるのでここでは言及しません)、ぼく自身、出版社が生き残っていくことはとても大事だと考えています。
ですので、本を出したい著者と出版社(編集者)の双方の役に立てるのなら、ブックライティングという仕事はあってしかるべきだと思います。
倫理的な問題は当然ありますし、そこまで含めて正当化するつもりはありませんが、やはり本は書かれて出版されなければならないとぼくは考えます。
AI時代のブックライティングのあり方
近年ではチャットGTPなどのAIも進化していますし、そのうち著者は自分が書きたいことを伝えれば、それをロボットが書いて出版できるようになるかもしれません。
そうなると、その本を書いたのは誰になるのでしょうか。やはりコンテンツ(ネタ)を提供した著者であることは間違いないと思います。
コンテンツ自体が重要なビジネス書においては、文章のきれいさとか比喩の巧みさなどはほとんど問われません。その点、著者以外の人がそこをサポートしてもいいような気がしますけど、みなさんはいかがでしょうか?
もちろん、「あの人には本を書くだけの文章力もあるのか!」と思った読者がブックライターの存在を知って「騙された」と思ってしまうことがあるのは、申し訳ない限りです。
でもよく考えてみてください。ユーチューバーも、一人ですべてやっている人は限られていますよね。それでも面白ければ視聴数は増えていく。本も、それぐらいの捉え方でいいのかもしれませんよ。
ブックライターが不要になる日
いずれそのうち、ブックライターは不要になるかもしれません。つまり職業として成り立たなくなる可能性があります。チャットGPTの台頭はその片鱗ですね。
でも、需要はまだしばらくはありそうです。本を出したい人がいて、そのサポートをツールが担えないあいだは。
いつか、本を出すべき人・出したい人が、独力のみで本を出せる日が来るといいですね。それまでは、ぼくも弛まず取材&執筆に励みたいと思います。
多謝
<参考記事>