コミュ力はいいけど、うまく立ち回れないことが逆にスキルを高め、明日への活力をもたらしてくれるという話

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 「組織に属してうまくやっていけない人間は、結局は社会不適合者なんだ。だから、自分でやったりごまかしたりしながら、なんとか生きていくしかない」。そう言っていた友人がいました。彼女自身もフリーランスとして働いていることもあり、組織に属せない(あるいは属したくない)ということに対して思うところがあったのでしょう。ぼく自身としては、社会適合者なんて言われたほうがよっぽど傷つくだろうなとか思いながら、同時に、やっぱりぼくも社会不適合者なのかなと考えたりもしました。

 そりゃあ、まあ、器用にそつなく生きていたほうがラクでしょう。あるいは楽しいことも多いかもしれない。きっと死に際には、たくさんの家族や友人に囲まれて、思い残すことが一切ないまま逝くのでしょう。それはそれで幸せです。否定はしません。ぼくだって、人生が二回や三回あるというのであれば、そういった人生も悪くないと思うでしょう。しかし、人生は一度しかありません。というより、一度しかないと信じているからこそ、ときには無謀なときには生理に反した行動ができるのです。


 こと仕事に関して言えば、コミュ力があることはプラスに判断されることが多い。ただそれはね、あくまでも「従来ながらの日本式の組織に属している人間」だったらということですよ。しかも、個人として考えた時には(会社に属していても個人は個人)、決してプラスにはなりません。なぜか。簡単なことですよ。つまりコミュ力があることによって、自身の本来の能力をいくらでもごまかすことができるからです。不手際があってもコミュ力で乗り切る。ピンチはひらりとかわす。これって本当に優れた人間だと言えますか?

 一方で、コミュ力がない、うまく立ち回れない人というのは、つねにストレスと戦っていますよ。どこに行っても不満ばかり、自分の思い通りにいかない、でもそれを隠そうともせずマイ・ウェイを突き進んでいるから、結局はまわりに誰もいない。でもね、ごまかさないんですよ、こういう人って。自分の能力がないこと、非力だということを、コミュ力や立ち回りによってごまかそうとはしないんです。篤く生きるって、こういうことを言うんじゃないでしょうか。

 ただ、そこでクサってしまえばそれまでです。だから奮起しなければならない。自分の能力が認められないなら、とりあえず我慢して、ストレスを抱えたまま血の滲むような努力をして見返してやる。ストレスを発散などせず、自分を前に推し進めるためのエネルギーに変えてしまう。ごまかしたりしません。だってそれじゃあ、ただのインチキじゃないですか。別にいいんです。自分に能力がなければ、とりあえずハラが煮えくり返る思いしながら生きればいいんです。間違っても発散なんかしちゃいけない。

 そういうときなんですね、人間が成長するのって。「もうやめようかな……」「いっそハラでもくくるか」というような境地にたって、それをくり返しても、なんとか踏ん張って乗り越えて、大きな成長を重ねていく。そうやって生きていけば、誰だって一角の人間になれると思いませんか。コミュ力がなければ、容易な逃げ道はありません。最悪、野垂れ死にすることになっても仕方がない。そのときには、ドブに顔を突っ込んで、前のめりに死んでいきましょう。

 こう言うと語弊があるかもしれませんが、しょせん、仕事なんて人生の一部でしかありません。大したことはないんです。だって考えてもみてくださいよ。ぼくは24時間365日、良い文章を書くことばかり考えていますが、けっきょく仕事をもらっているのは、とりあえずコミュ力がある人間ばかりじゃないですか。それで、文章の良し悪しなんてものは、腹が減っていればうまい飯のごとく扱われている。風邪でうなされているときに読めば、村上春樹の文章だってただの駄文でしかないんです。仕事の文章なんてその程度なんですね。人と人との関わりですから。

 だったら尚更ですよ。なおさらコミュ力になんか頼っちゃいけない。今日や明日を乗り越えられたとしても、10年後は無理です。なんにも積み重ねていない人間は、本物から選ばれることはありません。最低限のマナーという話ではありませんよ。ちやほやされることを目的に生きている人間が、それで自分に能力があると勘違いして、周りもそれを認めてしまうようなクソッタレた世の中なんかどんどん否定するべきだと思うんです。

 「自分にはコミュ力がないから、いつもストレスばかり抱えていますよ」。大いに結構じゃないですか。うまく立ち回れないからこそ、本来の能力で勝負するしかない。本物に選んでもらうしかない。それこそ、本当に覚悟のいることです。ごまかすことなんかできない。背水の陣って、こういう精神的姿勢から生まれるのではないでしょうか。そうありたいものです。

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