せっかちでワガママな女性ネットユーザーに「ありがとう」と言わせる方法『600万人の女性に支持されるクックパッドというビジネス』上阪徹

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600万人の女性に支持されるクックパッドというビジネス (角川SSC新書)

30代女性の4人に1人が使っているwebサービス。それが「クックパッド」だ。

「ああ、あのレシピ集のサイトね」と、軽く流さないでいただきたい。せっかちでワガママな女性ネットユーザーに支持されているのである。そのノウハウは多大なビジネスポテンシャルを秘めている。

考えてもみてほしい。今や女性の社会進出は一般的である。少しずつ要職にも就きはじめている。しかも元来「買い物好き」な彼女らのことだ。疲弊している男性諸君より、よっぽどお金を使ってくれる可能性が高い。

  そして、その「女性に支持されるノウハウ」をまとめたのが本書だ。


女性の支持を得るためにwebサービス運営者がすべきこと

ポイントは以下の3つである。

1.ユーザーを正しく理解する

まず肝心なのが「ユーザーを正しく理解すること」である。

「そんなの……」と思ったあなたは、今すぐ考え方を改めるべきだ。サービスの送り手は、自分たちが「傲慢」で「顧客に甘えている」ことを思い出さなければならない。

人は少しの成功ですぐに舞い上がる。図に乗る。そしてユーザーの方を見なくなる。そのときから徐々に腐敗がはじまるのだ。

ユーザーを理解することに終わりはない。多種多様な人間全てを把握することは不可能である。だから愚直に行い続ける。正しい理解とは、「ユーザーを理解しようとする姿勢」から生まれるのだ。

顧客獲得数や売り上げから判断すべきものではない。

2.「謙虚に」「絶対成功するまで」

そこで大切なのが「謙虚さ」である。

「だれのためのビジネスなのか」を、ことあるごとに問い続ける。判断基準にする。たとえ自分たちに有利なことでも「理念に反する」ならやらない。「料理が楽しくならない」なら取り入れない。それが謙虚さである。

そして「絶対に成功するまで」やり続ける。

ビジネスは「経営者があきらめたとき」にはじめて失敗となる。成功するためのたったひとつの秘訣は、絶対にあきらめないことなのだ。

3.シンプルなメッセージで

本当にすぐれた商品には説明書が不要だ。どのように使えば良いか、どのような使い方があるのかはユーザーが勝手に判断してくれる。

しかし勘違いしてはいけない。判断するのはあくまでもユーザーである。つくり手が「これなら分かるだろう」と勝手に判断してはいけない。そうではなく、「いちユーザーとしてこのサービスを利用するなら」を追求する。追求し続ける。

くり返すが、優れた商品に説明書は不要だ。あってもなくても良いのではない。不要なのだ。必要ならユーザーがつくってくれる。iPhoneのように。

そこでつくり手は、シンプルなメッセージを発信するだけで良い。

「クックパッドは“料理を楽しく”します」

ヒトコトまとめ

女性ユーザーの支持を得るには

女性を正しく理解し、謙虚に、たったひとつの「ありがとう」を追い求める、こと。

お付き合いありがとうございました。多謝。

<目次>

序章 女性なら知っている。料理サイト「クックパッド」/第1章 就職を選ばなかった男が、辿りついた目標/第2章 クックパッドは、なぜ「女心」をつかんだのか/第3章 細やかなサービスを実現するのは、テクノロジー/第4章 広告を見た人から「ありがとう」といわれるサイト/第5章 六〇〇万人を呼び込む「経営」と「マネジメント」

<著者>

上阪徹(ウエサカトオル)
1966年兵庫県生まれ。89年早稲田大学商学部卒。アパレルメーカーのワールド、リクルート・グループを経て、95年よりフリー。経営、金融、ベンチャー、就職などをテーマに、雑誌や書籍などで幅広く執筆やインタビューを手がけている。

<類書>

600万人の女性に支持されるクックパッドというビジネス (角川SSC新書)

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